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NHKプロフェッショナル仕事の流儀「庵野秀明スペシャル」

2021年3月22日(月曜)NHKプロフェッショナル仕事の流儀は、庵野秀明さんスペシャル。最初からATフィールド全開のドキュメント番組でした。

宮崎駿監督いわく「彼は宇宙人」

正直、宮崎駿さん自身も宇宙人に近い存在かと思われますが、その方から宇宙人と評される庵野秀明監督。この監督を4年間もNHKプロフェッショナルスタッフが密着取材しました。さすがに4年はヤバイですね...。もう魂でドキュメンタリーを撮影しましたという感じでしょうか。

番組冒頭にNHKスタッフが、

NHK「物語が終わってしまい作品に思い入れとかありませんか?」
庵野「ない。」

主人公の碇シンジ君以上に、つかみどころがありません。さすがに長年同じ作品に関わっているので何も無いということはありませんので、恐らく仕事が忙しくてリップサービス的な答えをうまく言えなかったと思われます。もしくは、照れ隠しであえて言わなかったのかもしれません。

私もシン・エヴァンゲリオン劇場版の映画はAmazonプライムで流されていたので前作までは見ていました。

テレビアニメはリアルタイムで見ていましたが、当時の私は中学生。正直よく分らなかったのが思い出です。主人公の碇シンジ君がとにかく悩みまくり心理描写がガンダム以上に多い作品で難しかったです。あれから30年。まさか、ここまで引っ張られるとは思いませんでした。ヱヴァンゲリヲン恐るべし!

この物語なのですが、第3新東京市(箱根市)が舞台になっており、私が新婚旅行で箱根の温泉に行った際は、エヴァンゲリオンのイベントを常にやっている感じでした。古風あふれる箱根にアニメがあふれる。不思議な感覚でした。

庵野秀明監督は「使徒」みたいな人

こう話されたのは葛城ミサト役の声優「三石琴乃」さん。発作的に動き出すし、手は長いし、本気を出したら街が一つ吹っ飛びかねないとの事。たしかに番組を見ているとそんな感じも受けました。

NHKのスタッフを集めて一緒にドキュメント番組の作り方にアイデアを提案。庵野秀明さん以外も悩んで作品を作っているスタッフが大勢いるからそっちも撮ったほうがいいなど細かく指示。新しいプロフェッショナルを作ってほしいと注文。映画同様のシン・プロフェッショナルゲリオンを作っておりました。そんな人は初めてでしたので見ていて面白かったです。つねに新しい物を作っていきたいという情熱を感じます。

他にも絵コンテ無しでアニメを作ろうとしていて、実際の俳優にモーションキャプチャーをつけて実写を撮影。それをアニメに生かすこともやられていました。絵コンテ無しもあまり聞かないやり方ですので、なんでそうするのかとNHKスタッフが聞くと、

庵野「頭の中で考えるとそれを超えられない」

とにかくアニメでも実写でもアングルが命と話されており、ひたすら素材を集めて編集室でこもって作りこんでいく。そして9か月もかかって出来上がったパート作品を見て、良くなければ最初から脚本から作り直す。それでもやり通すのがすごいです。

自分の命より作品が上なんです

庵野監督がこう話しており、これをスタッフにも求めており、このプロ根性が必要でそれができない人間は、その場に存在する事が許されない凄みがありました。ただ、スタッフの方は自由にやれる、とことん突き詰めれるの仕事のやり方としてはどうかと思うけど楽しいと話していました。全員プロですね。

ただ仕事をやりすぎて監督はうつ病になってしまいます。作家で自分自身を追い込んで仕事をすると、そうなる方が大勢おりますが監督もそうだったのかと思い驚きました。この世に完璧な方はいないですよね。本人も話していましたが、何か欠けている人間の方が面白いと思います。

そんな葛藤している監督にも神が微笑みます。妻の漫画家 安野モヨコ先生です。庵野監督は仕事で根を詰めてお風呂に1年ほど入らなかったり、食事もかなりの偏食でへたするとお菓子ばっかり食べてしまい体によろしくないとの事。たしかに、番組内でもサッポロポテトをガァーっと食べていました。

モヨコ先生いわく、動物をちょっとずつ慣れさせるみたいな感じで徐々に普通の生活をさせていった様子。素晴らしいです。恐らくモヨコ先生がいらっしゃらなかったら、監督は本当に壊れていたかもしれません。

モヨコ先生は、noteに監督の事を書いた記事も上げております。

番組でモヨコ先生を初めて見ました。そして直感的に思ったのですが、これ、あれですね。登場人物の「真希波・マリ・イラストリアス」の面影を感じてしまいました。すごく似ていらっしゃる。女神さまはやはり大事ですね。

プロフェッショナルとは

番組最後に必ずNHKスタッフが聞くセリフがあります。

NHK「プロフェッショナルとはなんですか?」
庵野「あんまり考えたことはない。そもそも番組にプロフェッショナルってタイトルがあまり好きではない。他のタイトルにしてほしかったです。」

庵野秀明監督らしい言葉でした。たぶん、監督にとっては日常に仕事をしていることでプロ意識というより当たり前のことなんだなと感じました。逆にそれこそがプロだと思います。突き詰めていく姿勢がすごいですね。

番組は4年分を75分に凝縮しておりましたが、恐らく大量の素材が残っていると思います。たぶん、NHKスペシャルとかBSプレミアムなどで、この続きや未公開シーンをやるのではないでしょうか。さすがに75分間でおしまいは勿体ないですよね。そんなことも期待しつつ楽しめた番組でした。熟成させて番組を作られただけあって、かなり面白かったです。

ちなみに今現在(2021/03/25時点)私はまだ映画を見ておりません。番組を見て、とんでもなくすごい作品なんだという事が分かり非常に楽しみになってきました。また監督が「次の仕事があるから」と言っていたのも気になります。これからも、素晴らしい作品を人類に届けてほしいと願います。

2021/03/29までNHKプラスで見逃し配信が見れます。


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