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ビッグデータを本気で医療に活用すると、どんな世の中になる?


世の中が『ビッグデータ』と叫んで、はやいくとせ...。

大手IT企業が中心となり、巨大なデータを収集し、
効率的なマーケティングや、抜本的な仕事改革に利用しようとしています。

必要な仕事のみに集中できれば、
非効率な残業も減りますし、なにより私も気が楽になります(笑)

正しい未来のあり方だと思いますし、ぜひ実現してほしいです。
そのための協力であれば惜しみません。

ただ私には1つ、どうしても実現してほしい未来社会があります。
それは、

ビッグデータを医療で柔軟に活用できる世の中です


大病院のIT化は進んでいます。
電子カルテに向いている強固なデータベース、
例えばCACHE'なども、かなり昔から誕生しております。

しかし、そこに蓄積されたデータが
柔軟に利用されているかと言われると、まだ先のような気がいたします。

***
少し私の父親の話をいたします。

ある日、喉に違和感を感じた父親が病院で見てもらったところ
ステージ1の食道ガンである事が告げられました。

手術が可能であったので、先生にオペをおこなっていただいたのですが、
手術中に肺転移(播種)が見つかり、手術はその場で中断。

いきなりステージ4に跳ね上がり、余命半年を告げられました。
白い巨塔の財前教授と、本当に同じパターンでした。

当然、息子の私としては受け入れられず、治療方法がないか探します。

しかし、ネットで探しても、適合する治療はそう簡単に見つかりません。
医師も、自信をもって知っている情報以外は提供してはくださりません。
万一『責任を取れ!』と言われたら困りますから、当然の事と思います。

最終的にたどり着いたのが、
全国の病院で行っている臨床試験のデータベースです。

UMIN-CTR
https://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm

今はかなり改善されましたが、
当時は、なかなか医療関係者でも見ずらい状態で、
思うように検索できませんでした。

それでも私は、UMIN-CTRを使い、
全国の全ての食道ガンの治験を洗い出し、
適合しそうな病院に片っ端から電話をして、
ようやく、父親に適した治療を見つけました。

この間に、1週間ほどかかりました。

該当の某大学病院に父親を連れて行き、
担当の先生とお話をした時の事を今でも覚えております。

よく、この臨床試験を見つけられましたね。
他の病院から来られる方は、極めて稀です。
我々としても、該当の患者さんを見つけて、治療を行いたいのですが、
自分の病院以外、あまり接点がないため紹介ができないのです。

かなり、衝撃的でした......。
医療関係者の方でさえ、治験をしたくても
該当の患者さんが、どこにいるのか分からない状態になっています。

治療したい医師 ≒ 治療を受けたい患者

このマッチングが、うまくいっていません。

残念ながら父親は、治験の甲斐もなくこの世を去りましたが、
何も治療しない状態ではなく、
最後まで望みを捨てずに生きる事ができ、やって良かったと思っています。
また、父親を見捨てずに、診ていただきました先生には、
本当に感謝しております。

***
医療ビッグデータの活用は、世界中の人々の生活の幸せに直結します。

治療情報、患者情報、全てを柔軟に使う事ができれば、
父親のような方も助かる確率が、格段に上がります。

現在、この分野のIT技術を専門に研究しておられる先生がいます。
慶應義塾大学 医学部 の宮田 裕章先生です。

著作物があれば読みたいのですが、
残念ながら、まだないようです。ただし、お話は聞けます。

それが、毎週水曜日のNHK『クローズアップ現代プラスです。
コメンテーターとして出演されておられます。

先生は高校生の時から、医療にビッグデータを使えば、
『100%』みんなの役に立つ事が出来る!と考え、医師を志したそうです。
かなり先進的な考えで驚きます。

実際に本格的なビッグデータが
日本の全ての病院で活用できるようになれば、

治療したい医師 = 治療を受けたい患者

となり、手遅れにならないうちに、正しい治療を受ける事が出来ます。

日本の医療は現時点でも、かなり優れているため、
患者の方に合う治療が、どこかにあります。

『きちんと、マッチングするかどうかです』

研究は進んでおり、これは未来の話でなく
近未来の話になると思っております。

一刻も早く、柔軟な医療ビッグデータの活用できるその日を
心から待ち望んでおります。


 

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