さよなら、おっぱい様
25歳のとき、おっぱい様に別れを告げた。
25年前、私をすこやかに育ててくれたおっぱい。
手術の前の日に、彼女は偉大なるおっぱい様を触らせてくれた。
わたしは母乳を飲むのが下手くそで、すぐにふにゃふにゃ泣くこどもだったって。
妹は、出ないと怒ってすぐに噛み付くリクエストが多いこどもだったって。
そんなのはじめてきいた。
ふんわりした肉、明日にはもうなくなる。
私は保健師をしており、毎年10月にはピンクリボンの啓発で、乳房の自己触診法をお伝えしています。
乳がんは、自分で見つけることができる唯一のがん、だから毎月自分の乳房に異常がないか調べるのを習慣にしてください。
好発部位は、乳房外側上。
しこりやひきつれはないか。
皮膚にボコボコしたところはないか。
乳頭から血や浸出液は出ないか。
月経がある人は、月経が終わった4、5日頃。
授乳中や閉経など月経がない人は、自分の誕生日の日やこどもさんの誕生日の日など忘れない日を月に一回決めて。
自分のおっぱいと向き合う時間を取ってください。
でも母の乳がんは自己触診でみつからなかった
さんざん自己触診しましょう、検診受けましょう、と言ってきた。
しかし、彼女はマンモグラフィでもわからなかった!
超音波検査(エコー)で見つかった。
手術で切らないといけないところをマーキングしたら、おっぱいは全体がなくなってしまうことがわかった。
がんは、しこりのようにできると思っていた。
違った。
ひとつの検査でわかることには、限界があるのだ。
自己触診+マンモグラフィ+エコー
自分の身体を自分で守るために、わたしは自己自己触診+マンモグラフィ+エコー
の3つの検査をおすすめしています。
必要な検査には自費でもかかったほうがいいと思っています。
30歳を超えてからは、私は毎年誕生日前後に調べることにしています。
症状がある人は検診にいかないで
また、しこりや違和感がある場合は、検診ではなく、必ず医療機関受診をしてください。
また今度、じゃなくて、すぐ。
おっぱい様はいなくなったけれど、彼女は元気だ。
温泉もいくし、ドレスも着る。
還暦を過ぎてなお少女のよう。
生きていてくれてありがとう。
毎年10月のピンクリボンをみると、感謝の気持ちでいっぱいになります。
そして、あなたの、あなたにとっての大切な、おっぱい様のことを月に一度は優しく点検してね、と世界中の人に伝えたいのです。
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