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女子生徒をどのように褒めるか【女子校の先生になったら読むnote】

 私立高校(女子校)勤続10年のkanari_Pです。
女子校に勤務されている先生、あるいは勤務が決まった先生向けに、本日は「生徒をどうやって褒めるか」をテーマにお話しいたします。

 「生徒は褒めて伸ばす」という言葉があります。生徒の良いところを見つけて、そこに注目をしてあげることが、生徒指導の基本のキとも言えると思います。私は初年から2年目ぐらいまで、この「褒め方」というのがどうにもよくわからず、タイミングを逃していたように思います。そのあたりの機微がわかるようになり、ちゃんと褒めることができるようになってきたのは、3年目から4年目ぐらいでした。

 しかし、同時に新しい課題も出てまいりました。「ところかまわず褒めればよい」というものでもないようです。本日は女子校にて女子生徒をどのように褒めるのが上手くいくのか、ここに注目してお話しいたします。

 男子生徒へも通用するような内容と感じていただけましたら、その旨お知らせいただけますと嬉しいです。
 それでは、よろしくお願いいたします。

・【本日のケーススタディ】

 次のようなケースを想定してみます。
「合唱コンクールがあった。うちのクラスは、学年で最優秀賞を受賞した。練習期間中、藍上という生徒が一番声を出していたように思われる。」

先生方なら、どのように指導しますか?
少し時間をとって、想像していただけたらと思います。

・【この指導だけは避けたい】

〈意外とやりがちな指導〉

 その日のホームルームにて、「みんなよく頑張った!毎日続けてきた練習が、最優秀賞につながって先生は本当に嬉しい!特に、藍上がしっかり声を出してくれたことが大きかったように思う!藍上ありがとう!よし、それも含めてみんなで拍手しよう!」とやってしまうのだけは本当に避けたい指導です。

〈想定される最悪のストーリー〉

 次の日の朝礼、いつもは賑やかなクラスがなんとなく静かだった。終礼もそう、次の日も。どことなく目を合わせてくれなくなってきた気がする。クラス代表に「なんかみんな元気ない?」と聞くと、「まあ、、そうですね」と濁されて終わった。
 1週間ぐらい経ったある日、他クラスの授業を終えて教室を出て職員室に向かっていると、生徒が1人追いかけてきた。曰く、「先生!先生って、藍上って子とデキてるってホントですか??」
 驚きすぎて、思わず大きな声が出てしまった。なぜそういう話になってるのかと聞くと、「先生のクラスで有名ですよ、先生は藍上を特別扱いしてるって!」その上で、「みんな知ってますよ!」と追い討ち。
 どうしてこうなったのか、、。

・【本日のポイント】

 生徒の良いところを褒める、というのはとても大事な指導であって、それそのものに問題はありません。しかし、褒め方を間違うと、生徒たちの人間関係を大きく乱してしまうことになります。女子校では特に気を付けないと、これをきっかけにあらぬ噂が立ってしまったり、いじめが起きてしまったりと、まさかそんなことにという問題にまで発展することもあります。

 押さえておくとよいポイントは、「女子生徒はバランスをとろうとする」ということです。次のような会話を聞いたことはありませんか?

【例①】
「藍上ちゃんのカバンカワイイ!」
「ありがとう!あ!柿矩形ちゃんのキーホルダーもカワイイよ!」

【例②】
「最近体重増えちゃってさぁ、、」
「えー、、そういえば私も肌荒れがひどくなってきてさ、、」

 例①は「上げてもらったので、上げてあげるバランスのとり方」で、例②は「下がってる様子なので、私も下がるバランスのとり方」です。どちらか一方だけが優れている・劣っているという状態になることを避け、人間関係に波風が立たないように気を遣うことが多いようです。
 したがって、本日のケースのように、みんなの前で誰かだけを褒めるという指導は、このバランスのとり方が難しくなってしまうのです。また、「そんなバランス、とらなくていいじゃないか」という指導をするのは、ナンセンスな発想です。

 ではどのような工夫が考えられるか、私なりにまとめてみたいと思います。


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