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息子がお金に興味を持つきっかけになった10ユーロ紙幣

2019年夏、息子が4歳の時、チェコ人の夫の親戚が住んでいるドイツを訪れました。

ドイツで人気のテーマパークに出かけることになり、その際、親戚の叔母さんが、息子に10ユーロ紙幣を手渡してくれました。

「これで好きな物を買いなさい」と。

日本では、紙幣を渡したことがまだなかったので、紙のお金をもらえたことがよっぽど嬉しかったのか、テーマパーク入ってすぐお土産屋さんへ。

斬新!

遊園地で乗り物に乗る前に、まず買い物かい!

「これ、買える?」「これ、買える?」と私に聞きまくる息子。

「ちょっと足りない」「だいぶ足りない」と答える私。

「欲しい物」ではなく、「買える物」を買いたいらしい。

そこで、買ったのがコレ ↓

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くまのパディントンのゴム製の人形。6ユーロとちょっと。

ドイツ来る前にイギリスに行ってたのに、イギリスのパディントンをなぜドイツで買う?

とか

息子にとって全然興味なさそうな物なんだけど

とか

そんなにかわいくはないけど

とか

ツッコミどころ満載だったが、黙っておいた。

息子はランランランと1人でレジに行って、買ってきた。

買ったことより、お釣りをたくさんもらえたことが嬉しそう。

お金が減ったということは、まだ理解していないらしい。


テーマパークから帰ってきて、息子が、夫や私に、「どうやったらお金が稼げるの?」と10分おきくらいに聞いてくるようになった。

最初は「大人になったらね~」とか「学校行って勉強したらね~」とか、適当に流しておいたんだけど、もうしつこいくらい聞いてくるので、真剣に一緒になって、考えてみた。

「そうだねぇ。チェロ習ってるから、チェロの練習たくさーん練習して、プラハのカレル橋(チェコのプラハで有名な橋で、パフォーマーがたくさんいる)で、パフォーマンスしたら?」

とか

「絵が上手だから、絵の練習をもっとして、カレル橋で絵を売ったり、似顔絵描いて売ったら?」

とか

息子の音楽や絵の才能を伸ばしたくて言った。


「そっか。わかった!」

と言って、なにやら始めた。

なんと!

一緒にドイツに来ていた、夫の両親の似顔絵を描いて、彼らに売り出した。

今すぐお金を稼ぎたかったのか!

将来の話でなくて!

子どもは今を生きているんだなぁと実感した。

息子が描いた似顔絵が似ていて上手だったので、夫の両親は買ってくれた。


そして、私たちが外で洗濯物を干している間、自分が描いた絵を路上で売りたいと言い出し、描いた絵に値段を書き、草の上でおもむろに絵を拡げ、売り出した。

でも、そこは、団地の敷地内、だーれも通りません。

「ねえ、お母さん、あそこにいる人たち、呼んできて」

えぇぇっ!私に営業をしろと?

ムリムリムリムリ!

ごめんよ、息子。

お母さんには、そんな勇気がなかったよ。

夫にも。


今なら、様々な方の本を読んでいるので、キングコング西野さんならこうするかなとか、落合陽一さんならこうするかなとか、考えられるのですが、当時の私は、そういう本を読んでおらず、知識がなかったため、息子の意思を尊重することができなかったと反省しています。


日本帰国後、今度は、「紙のお金はどうやったらもらえるの?」という質問に変わった。

夫の仕事を手伝ったら100円とか、硬貨はもらったことがあるけど、紙幣はもらったことがなかった。

それを真剣に一緒に考えてみたけど、答えは出なかった。

それで、ダイソーでおもちゃの紙幣を買って遊んであげたら、その質問が出なくなった。

おもちゃの紙幣で満足したようだ。

子どもの「今」を伸ばすのって、難しい。


それでは、またお会いしましょう。


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