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舞台で表現することを生業とされているピアニスト渡邊智道さんの真のすごさを知る~渡邊智道氏にインタビュー~

先日、渡邊智道さんのピアノのレッスンを受けました。

わたしが質問したいことがあると伝えましたら、レッスンの前に質問の時間を設けていただけました。

智道さんは誠実に回答してくださいました。

ありがとうございます。

※この記事はご本人の了承を得て作成しております


まずは、子育ての参考にしたいと思い、智道さんが育ってきた環境やどうやったら智道さんのような天才音楽家が育つのか聞きました。

智道さんは親御さんから「練習しなさい練習しなさい」と一切言われなかったそうです。

言われなくてもする。

音楽が大好きだったんだろうな。

そこがミソかなぁと。

「練習しなさい練習しなさい」と強制されると、子どもは音楽が嫌いになってやめちゃいますよね。

智道さんは「好きな子は自分からどんどん練習してくる」とも。

たしかに。

子どもは好きなことは放っておいても一日中してたりしますね。

でも、親としては、その瀬戸際が難しい。

6才の息子はチェロを習っていますが、「練習しなさい」と強制はしたくないけど、指導してくれる先生に申し訳ないので放置もしたくない。

そのハザマで葛藤中です。

楽しければOK。

好きでいてくれればいい。

それもわかります。

でも、素晴らしい音楽家に育て上げたいとわたしは密かに目論んでいて、すべては本人次第だけど、大好きになるようにうまく誘導しないといけませんね。

コントロールはできないが、親であるわたしが導くことはできるはず。

わたしのエゴかな。

なるようになるかな。

うーん。

智道さんの親御さんの関わり方が上手だったのかもしれません。

これは、いつか、もう少し深掘りしていきたい疑問です。


次に智道さんの伴奏の極意(重要視していること)をお聞きしました。

智道さんの伴奏は、いつもキラキラ輝いているのです。

伴奏はあくまでも脇役という、わたしの伴奏の概念が変わりました。

技術的な答えが返ってくるのかと思っていましたが、違いました。

やってる曲を大好きになること

予想外の返答でした。

と同時に、目からウロコ!

合唱の伴奏を頼まれて弾きますが、弾いていくうちに好きになることはあっても、大好きになるように努力したことはなかったです。

そうか。

智道さんは、どんな曲も心から好きな気持ちで弾いていて、それが伝わってくるから素晴らしい演奏なんですね。

素敵。

わたしも曲に対して心持ちを変えようと思いました。


最後に、楽譜を見て演奏することの意味をお聞きしました。

初めて智道さんのソロリサイタルに伺った時、楽譜を見て弾く姿に驚きました。

ピアニストは暗譜で弾くものという固定概念がありましたので。

ある日、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の智道さんの演奏を聴きに行きました。

協奏曲は暗譜で弾かれましたが、その後、アンコールでシューベルト即興曲90-3を弾く時にスタッフが譜面台を運んでグランドピアノに設置し、智道さんは楽譜を見て演奏しました。

ふむ。

楽譜を見ることになにかこだわりがあるのだろうか。

わたしが暗譜ができないから楽譜を見るとかいう、そんな次元の低い理由ではないはず。

この質問をしてみて、智道さんなりの深いこだわりや理由を知ることができました。

ますます智道さんのファンになりました。


まず、理由としては、暗譜をする時間がイヤなのだそうです。

練習からその時間を省きたいのだそうです。

演奏家という職業は、練習する時間がとっても貴重なのでしょう。

そんな貴重な時間を割いて、レッスンをしてくださったことに感謝しています。

※レッスンの様子は1つ前の記事をお読みください。


そして智道さんなりの深いこだわりとは。。。

舞台の上でそんなことが行われていようとは夢にも思いませんでした。

舞台で表現することを生業とされている智道さんの真のすごさを実感しました。

すごい。

天才。

尊敬。

だから、智道さんの音の魔術に魅了されるわけだ。


そのこだわりとは。。。

ホールやピアノの響きを考慮しながら、強弱、ペダル、音の響きなどを舞台上でいろいろ変えて、即興的に演奏したいから、楽譜を見た方が楽しめるのだそうです。

舞台の上で?

そんなことしてるの?

即興でいろいろ?

おどろき。

天才すぎるでしょ。


さらに、初めて弾くような気持ちで舞台で演奏したいから、暗譜して手ぐせをつけたくないそうです。

手で覚えてしまうと、そういう気持ちで即興的に演奏がしにくくなるのだそうです。

暗譜していてもそのような気持ちで弾かなければならないのですが、と仰ってました。


ヘレンケラーが

ウォーター!

と叫んだように、

わたしも

うぉーっ!

と叫びたくなりました。

すーーごーーいーー!


音で遊ぶことを心の底から楽しんでらっしゃる智道さんが神様に見えます。

音で遊ぶことを普通に普段からしてらっしゃるのでしょう。

だから本番でもできる。

やっぱり神様だ。

素晴らしい!


これから、智道さんの演奏する音楽の見方が変わりそうです。

次の演奏会がとても楽しみになりました。

11月21日に水戸奏楽堂で演奏会があります。

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お近くにお住みの方はぜひ足をお運びください。

ありがとうございました。

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