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スリランカ #11 / 暮らすように旅する


帰りは来た道と違う道を散歩気分で歩く。地上側にも遺跡や大きな岩などがあって素敵だから探検してみるといいと思う。

お堀のチェックポイントを越えて公園のような敷地内をゆったりと見て回っているとドライバーが近づいてきた。博物館も面白いから見てくるといいよと教えてくれたので、1人でちょっと散歩もする時間ももらって博物館へ向かった。

シーギリヤロックの歴史を知れる内容になっていて興味深かったけどそれよりも個人的には自然と調和する形の少し変わった造りの方に目がいってしまった。建築家のジェフリー・バワが有名なスリランカだけに建築物も楽しめる国だと思う。

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シーギリヤロックの後は有名なダンブッラの黄金寺院を見てからアーユルヴェーダのマッサージを受けるというプランをドライバーが立ててくれていたが、1人でゆっくりする時間が欲しかったので彼の猛烈な(それはもう猛烈な)反対を押し切ってそれらをスキップしホテルに送ってもらった。

このホテルは全室ヴィラ仕様になっていて、部屋とロビーや、プールをつなぐ道のりも野生の小動物にしょっちゅう遭遇するほどの大自然の中にある。2階にレストランを併設したロビーには窓もドアもなく心地の良い風が抜けていき、まるでサファリにあるホテルにいるような気分だ。

部屋もプールも四方を緑に囲まれてとにかく静かだった。水着に着替えてプールに向かう。

貸切のプールに浸かってぼーっとこの静けさと適度な寂しさを楽しんだ。意外と湿度が低くカラっとしたスリランカの気候は外で過ごすのに理想的で、プールサイドチェアーに寝っころがり本を開くと数ページで寝落ちした。

旅に持っていく本は実用的なものよりストーリー性があったり想像を掻き立てるものを好んでいたけど、今回は「脳」についての論文をかき集めその働きを説明するというかなり現実的なもの持ってきてしまい、旅とのコントラストに一気に現実に引き戻されてしまって相性が良くなかった。

だから本は隣のチェアーに置いてもう究極のスタイルで「考え事か妄想しながらぼーっとする」にシフト。そもそも修行系の一人旅に出たい時は悩んでることとか考えたほうがいいことがある時だから、これはこれでつじつまが合う。

しばらくしてから部屋に戻ってシャワーを浴び、寝室になる二階の窓を開けて昼寝した。旅先の昼寝ほど贅沢なものはないと思ってる。

「暮らす様に旅する」はいつものテーマにしていることで、ぎゅうぎゅうにスケジュールを詰めるよりはこうやって「何もしない」ことの楽しさを大事にしている。

この日の午後は文字通り何にもせずに夜はルームサービスで食事を済ませ、映画を一本見て穏やかな気持ちで眠りについた。

続く



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