ミニマリストになつたきつかけ その二
今回も目に留めていただき、ありがたうございます。
前回に続いて、ミニマリストになつたきつかけについて書いてをります。
どうか最後までお付き合ひください。
その一と併せて、お読みいただければ幸甚です。
六、どうやつたら物を捨てられますか
プロギャンブラーののぶきさんが言つてゐたことから連想したのですが、「一ヶ月使はないものは、一年後も使はない。一年後も使はないものは、一生使はない」といふ考へがわかりやすいのではないでせうか。あと、近藤麻理恵さんの「ときめくかどうか」といふのもわかりやすいでせう。
私はその両方の視点を大切にしてゐます。全然使はないものでも、「ときめく」なら捨てませんし、「ときめかない」ものでも使つてゐるなら捨てません。何となく使ひ続けてゐるものが、それに該当します。ダイソーで買つた、くしとか。
それでもなかなか捨てることができないと言はれることもあります。その時は、「無理に捨てなくても大丈夫ですよ」とお伝へしてゐます。少し霊的(スピリチュアル)になりますが
「あなたと物が魂で結び付いてゐるのだから、結び付きが自然に切れるのを待てば捨てられますよ」
と言ふ場合もあります。つまり、「時が来たら、捨てられます」といふことですね。
捨てることについては、若い人よりも、年配の方から聞かれることが多いです。
七、人から何て言はれますか
ミニマリストのやうな特殊な生活をしてゐると、人から何て言はれるか。気になる方もをられませう。
私の経験では、おほよそ、次の三つがあります。
一、まつたく興味を持たない人。つまり何も言はれない。
二、変人扱ひして、「洗濯機くらゐ買へば」などと干渉する人。
三、興味を持つて聞いてくる人。
一の人は無害です。何も言はないし、干渉もしてきません。いつも通りの付き合ひができるので、気楽です。
二の人は無視です。かういふ人は苦手です。変人扱ひだけなら慣れてゐますが、他人の生活やライフスタイルに干渉してくる人は…。私は誰とでも仲良くするやうにつとめてゐますが、あれこれ言ふ人は「断捨離」してゐます。
三の人には、いはゆる「上から目線」にならないやうに丁寧にお答へします(マウンティングは嫌いです)。
特に多い質問が、上記の「どうやつたら物を捨てられるか」といふものです。
また、「昨日、○○を捨てました」といふ報告を受けることもあります。
八、もしもの時はどうしますか
今のところ、もしもの時が起きてゐないのでわかりません。その時に考へます。
昨年の五月に、急性胃腸炎になりましたが、何も困つたことはありませんでした。食べ物は知り合ひに頼んで出前館を利用しました。
むしろ、もしもの時に強いのがミニマリストだと考へてゐます。例へば、天変地異の際に、すぐに荷物をまとめて逃げることができるでせう(本当?)。
「冷蔵庫がないと、暑い時に冷たいものが飲めないのは辛いよね」と言はれたことがありますが、幸ひにも私は冷たいものを飲むとすぐお腹を壊してしまひますので、冷蔵庫がなくても問題ないのです。それに、平泉澄先生の『山彦』(勉誠出版)にもありますが、私も冷蔵庫は好みません。
※『山彦』はとても素敵な本なので、多くの方に読んでいただきたいものです。
九、普段の荷物はどの程度ですか
一澤信三郎帆布のトートバッグにiPadと、いつでも銭湯に行けるやうにMOKUタオルとお風呂セットを入れてゐます。
残りはペン類と財布、桝屋の原稿用紙、iPhoneとメガネ類…だけです。
出勤時は手ぶらで行くこともありました。
旅行の時も、大体同じくらゐです。服はビジネスホテルのコインランドリーで洗濯しますし、いつもの荷物に少しだけ服が増えるだけです。
十、ミニマリストで良かつたことは
思ひ付くまま、四つ挙げてみました。
1,コレクションをやめられた
コレクション癖や浪費癖が解消されたことがあります。
例へば、徳富蘇峰翁の『近世日本国民史』全百巻を集めてゐたのですが、ミニマリストになつてからは、図書館で借りるやうにして、買はずに済みました(20冊前後の買つた本は、知人に送りました)。他にも、全集を揃へたり、『国史大辞典』を買つたりしてゐましたが、前回記したやうにそれらは図書館で済ませるやうにしました。
その副産物でせうか、お金が貯まりやすくなりました。
2,フットワークが軽くなつた
次に、フットワークが軽くなつたことが挙げられます。
某県某市にゐたときは、近くに興味深い史跡や神社、それに温泉が数多くありました。しかし、物に囲まれてゐると、見えない鎖に縛られてゐるやうな感じがして行く気が湧きませんでした(日常の多忙から、疲れて行く気になれなかつたのもありました)。
東京に帰り、より物を捨てて軽くなると、不思議と出掛けたくなりました。山辺の道に九回も訪ねてゐることや、毎日サウナに通へてゐるのは断捨離の影響で、心身が軽くなつたからだと考へてゐます。
3,やりたいことが明らかになつた
自分が何をやりたいのか、絞ることができたことも大きいですね。
今は、和歌(主に『万葉集』)を中心に学び、かつ広める活動をしてゐますが、以前は、近現代史(大東亜戦争)もやりたい、江戸時代の国学(本居宣長関係)もやりたい、政治や経済も勉強したい、神道史も勉強したい、西洋哲学も学びたい…といつた具合で対象が絞れませんでした。某政党に入党したこともありましたし、いつかは区議あたりから政治家を目指さうとしたこともありました。
今から思へば、広く浅くいろいろなことを学ぶことができたことはありがたいことでしたが、本を捨てて対象を絞ることで、より深く和歌のことを学べました。そのお陰でせうか、和歌で賞をいただいたり、若者に歌の指導をさせていただいたり、思つてもみなかつた結果につながつたと考へてゐます。
今では、和歌を中心に、文章を書いたり、また和歌を詠み、わが国の伝統を私なりに受け継いで行けるやうにしたい、さう考へてゐます。
4,ストレスの軽減効果
総じて、ストレスの軽減につながつたやうに感じてゐます。
そして、自分の周りが好きなものに囲まれてゐるといふ感覚が、とても落ち着きます。
以前は部屋の掃除などはほとんどしなかつたのですが、断捨離をして部屋がさつぱりしたことで掃除が好きになりました。仕事場でも、書類が山積みになることもないし、ある程度落ち着いて働けてゐるやうに感じます。
以上、よくある質問を簡単にまとめてみました。
ところで、ミニマリストの生活を簡単に伝へる方法として、部屋の写真の公開がありますが、これはご勘弁ください。
なほ、部屋のことですが、私が某県某市に引越した日。不動産屋で鍵をいただき、新たな家に向かひました。そして、自室に入つた瞬間の不思議な感覚は今でも忘れません。
何もない部屋。カーテンもなく、家具もない。洗濯機や冷蔵庫などの家電もない。あるのは、私自身の体とかばんだけ。妙な安心感がありました。しかし、間もなくその安心感が不安に変はるのですが…。
今後も機会があれば、それぞれの内容を深めたことを書いてみたいと考へてゐます。
最後までお読みいただき、ありがたうございました。
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