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棺に入れた、揚げたて熱々のフライドチキン


(※ご注意!お葬式のお話です。葬儀の写真もあります。)



2020年7月24日 祖母富子(96歳)の葬儀だった。

このご時世、密になるといけないということで小さな小さな家族葬に。



こちらの小さな部屋(一見小屋みたいな)で、10名ほどのみ。

本当に近い家族と親族のみで執り行ったけれど、こじんまりとしていて、家の延長みたいで、あたたかくフレンドリーなスタッフさんと自由な作法で気楽にできて、とてもよかった。

おばばも、泣いたり笑ったり賑やかな葬儀で喜んでいるだろう。


おばばは、ここ数ヶ月寝たり起きたりを繰り返しながら家で介護され、ここ1ヶ月くらいはほぼ寝たきりで、いつ逝ってもおかしくないという状況が続いていた。

なので家族も親族も準備ができていた。

そもそも96歳だ、大往生である。


食べることが大好きで、直前まで何かしら口にしていたようで、よかったなあと思う。


豚肉の脂身や、フライドチキン、ピザなど、こってりしたものが好きだった。

グラタンやクリームソース系のおかずも大好き。

生クリームやチョコケーキ、お菓子も大好きだ。


おばばといえば、「なんかいつも食べてる人」って感じだったので、棺にはたくさんのお菓子と一緒に、冷凍グラタン、シュークリームなどの生菓子、そして揚げたて熱々のフライドチキンも入れた。


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葬儀の日、朝っぱらから妹から電話。

「葬式に骨なしのチキンがいる!」

すぐ理解した。


やっぱファミチキなのかな?と思いつつも、急いでいたため最寄りのセブンイレブンに寄ってみる。

すると入り口にデカデカと「BIG揚げ鶏 発売開始!」とあり、最近発売され始めたものと知る。しかも数量限定らしい。

セブンイレブンはいつだって最高だ。

ついてるぜ、ばあちゃん。


レジで意気揚々と「BIG揚げ鶏って骨なしですか?」「骨なしです!」「では1つください!」「これから揚げるので5分かかりますが・・・」と言われ、一瞬悩んだ。


(揚げ鶏をこれから揚げる・・・)

(でも棺に入れるならもしかして揚がってなくてもいい・・・?なぜならばそのあとすぐ焼くし・・・)

(いや、揚がってた方が絶対いいやろ、、、揚げたて食べたいに決まってるやろ、、、よし、、、!)

と、0.5秒くらいで考えて、「揚げてください!(こんがりと熱々に!)」と伝えて、じっくり5分待った。


揚げたて熱々の揚げ鶏を手に入れて、さらに冷凍グラタンやシュークリームもプラスして、ルンルンしながらセブンイレブンを出る。

ありがとうセブン。

今日一番の仕事を、私、果たしました!


葬儀場によっては、棺の中に入れるものに制限があるかもしれない。

今回はお菓子もたっぷり入れて、食べ物だらけにして納めた。

あっちに行っても美味しいものばっかり食べられるといいね、と思いながら。


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(お花の下にはお菓子がぎっしり)


こんなお葬式って、なかなかいいなあ。


泣いたり笑ったりしながら。

もう何十年も仲良しな親族同士で、屈託のないお喋りをするお葬式。


家にいる時も、おばばはいつもちょこんとソファに座り、みんなの話を聞いたり笑ったり、朗らかに過ごしていた。

熱々のチキンもあるし、お菓子もあるし、いつも家で過ごしているそのままの雰囲気が最後まで続いた。


冗談が大好きで、なのに繊細で、雷が怖くて、食いしん坊で、コロンコロンとしたかわいいおばばちゃん。


長い間、楽しい時間をありがとうね!





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