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【産婦人科のリハビリ日記】#11. 抱っこはママにとっての日常生活動作

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が
妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている

\産婦人科のリハビリ日記/

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産後の方(第二子妊娠中の方なども)
の評価の時は、
抱っこしている姿勢も見たりしています。

抱っこってママにとっての日常なんですよね。
しかも赤ちゃんの体重という負荷がかかっている。


■抱っこの負担はどのくらい?

乳児を腕に乗せる負担は、抱っこ紐を使用するよりも平均して16%大きい

Wall-Scheffler CM, Geiger K, et al. : Infantcarrying: the role of increased locomotory costsin early tool development. Am J Phys Anthropol 133: 841-846, 2007

抱っこ紐を使うよりも
16%も体に負担がかかるという状態。

しかも

子供を抱っこしての立位保持は、骨盤前傾の減少・腰椎前弯・胸椎後弯および体幹後方傾斜が増大する

Junqueira LD, Amaral LQ, et al. : Effects of transporting an infant on the posture of women during walking and standing still. Gait Posture 41: 841-846, 2015

画像2

産後って体幹がうまく使えない状態も続くので
そりゃ腰も反ってきますし
その体の使い方をしていれば腰は痛くなりますよね...


■骨盤にひっかけて抱っこする

画像1

こういう方も多いなっていう印象。

やたら片側の殿部に痛みの訴えのある方も
抱っこ姿勢確認すると
こんな抱っこをしており、
中殿筋やら梨状筋やらとても辛そうでした。

殿部が痛い人が
みんなそうってわけじゃないですが

ただ、そういう方がみえた時に
つくづく、
抱っこってママにとっての日常だ
って感じたんですよね。


■抱っこはママにも赤ちゃんにも日常

1日に何度も抱っこするし
1日に何時間も抱っこするし
それは赤ちゃんの時だけじゃなくて
ちょっと大きくなっても続いていきます。


少しでも体に負担の少ない
抱っこの方法をお伝えしていくことって
ママの体を守るためにすごく大事。

抱っこのポイントを
お伝えはするのですが、
抱っこって赤ちゃんにとっても日常


急に抱き方が変わると
嫌がってぐずる子もいる。

ポイントをお伝えすると
無理にでもそうしなきゃ!と
頑張り過ぎちゃうママもいる。


抱っこの仕方が
体への負担を減らすのかもしれないけど
それがママのストレスになってしまっては
元も子もないので

最初は10回に1回からでもいいよ
とよく伝えています。


ここの塩梅がすごく難しいけど
抱っこは親子のコミュニケーションだから
こうやって少しずつ少しずつ
二人で練習してもらうのが一番だよって
いつも伝えています。


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