天然由来で「からだにやさしいキャンドル」の作り方

「SDGs」 世界中でこの言葉を耳にするようになりましたが、同じように、自分のこころやからだにも目を向ける ー「労わる」ことがいかに大切かということも当たり前に認識される時代になってきました。

視覚で「こころ」を癒す。そして環境に配慮した素材の「からだ」にもやさしいキャンドルで、特別な時間を楽しみませんか。

ここでは天然由来のワックス(※)の紹介と、それらを使ったキャンドルの作り方を簡単に紹介します。

※ワックス:ロウ全般のこと

からだにやさしいキャンドルを作ろう


天然由来の中でも代表的なものとして、ソイワックスと蜜蝋(みつろう)が挙げられます。

一般的によく見るキャンドルは石油からできたものが多いですが、ソイワックスと蜜蝋(みつろう)でできたキャンドルの方がからだにやさしいです。

◆ソイワックスとは:大豆由来のワックス

◆蜜蝋とは:働き者のミツバチの巣から集めた蝋の不純物を取り除いて作られたワックス

からだにやさしいキャンドルのメリット

ソイワックスでできたキャンドルは、煤(すす)や煙が出にくく、燃焼と共に、空気中の不純物を減少させ、空気清浄効果があります。

蜜蝋でできたキャンドルは、アレルギーのもとになるウイルス、カビ、ダニ、花粉、PM2.5、建材から発する有害物質などを包み込み、花粉症や喘息などのアレルギー反応の改善に役立つといわれています。

また、ソイワックス共に有害物質やアレルギー性物質は発生しませんので、アレルギーをお持ちの方も安心して使えます。

天然由来ですので、リラックス効果も高いといえるでしょう。

からだにやさしいキャンドルのデメリット


石油系のものが安価で安定して手に入るというのに対し、ソイワックス・蜜蝋は割高で扱うお店が多くはないことがデメリットとなります。

ソイワックスのボタニカルキャンドルの作り方


ボタニカルキャンドルとは、その名の通り ボタニカル=植物の キャンドルのことです。
単なる灯りだけではなく、お花越しに揺れ動くキャンドルの炎を楽しむことができ、ここ数年、人気の高いキャンドルです。

【用意するもの】

◆ソイワックス 250g(直径約7.5㎝のキャンドル)

◆ドライフラワー、プリザーブドフラワーなど花材

◆モールド(型)※ 大小2種類 

① 紙コップ(底の真ん中に目打ちなどで芯を通す穴を開けておく) 
② ①よりも+2㎝程度大きいもの(綿棒の容器など耐熱性のあるもの)

※ここでは簡単に手に入りやすいものを紹介していますが、普通のキャンドル用モールドでOK

◆キャンドル用の芯(4×3+2※がオススメ)
※ 芯の太さ 
ワックスの種類やキャンドルの大きさによって最適な太さや種類があります

◆IHヒーター(ホットプレートでも代用可)
※ガスは温度調整が難しく、引火の可能性があるため危険

◆ミルクパンやビーカー(ホウロウ製のビーカーがオススメ)

◆割りばし(半分程度割っておく)

◆温度計

◆シリコンスプレー(型からはずしやすくするために使います)

◆ガムテープもしくは油粘土(芯を通した穴からワックスが漏れ出なくするために使います)

◆はさみ

◆目打ちなど
      

【下準備】

①モールドの高さ+5㎝程度の長さの芯をロウ引き※しておく
※溶かしたワックスに芯をしみ込ませ、まっすぐに伸ばし乾かしておく

②小さい方のモールド(紙コップ)の底の真ん中に目打ちなどで芯を通す穴をあけておく

1.下準備ができたらはじめよう

①小さい方のモールドでベースのキャンドル(燃焼する部分)を作る
②大きな方のモールドに花材を入れる
③④花材を入れた部分にワックスを入れて仕上げる

①ベースのキャンドルを作る

1.ワックスを溶かす

2.小さい方のモールドの底に芯を通し、底から2、3cm出してガムテープ、もしくは油粘土で注いだワックスが漏れないよう、芯が外れないように固定する。

3.割りばしで芯を挟み、小さい方のモールドの上にセットする。

4.ワックスを小さい方のモールドに流す(注ロウ温度※70度)
※注ロウ温度→ワックスをモールドに注ぐ温度

5.固まったら型から外して、底側の芯と灯す側の芯をカットする。

 底側:はみ出した分をすべて切る
 灯す側:適度な長さで切る
 ※長すぎると炎が大きくなりすぎて危険なので注意しましょう

②ここが肝心!全体のデザインを考えながら花をいれよう

1.大きい方のモールドの内側にシリコンスプレーをまんべんなく吹き付ける。これは、型からはずしやすくするためです。

2.大きい方のモールドの真ん中に小さい方のモールドのキャンドルを置きます。

3.大きい方のモールドのふちと置いたキャンドルとの間の隙間に、ドライフラワーやプリザーブドフラワーなどの花材を詰めていきます。

③いよいよ仕上げ!花材部分にワックスを

1.ワックスの残りを溶かし追加します。

再度ワックスを溶かし、花材を埋めるようにふちの隙間に注ぎます。(注ロウ温度70度)
花の上から注ぐため、デザインが崩れないよう、ワックスはそっと丁寧に流し入れましょう。

2.花材が浮いてしまったら、割り箸や目打ちなどで沈ませるか、取り除くなどして、表面に不必要なものが出ないようにします。

気泡が出ている場合も、目打ちなどでつぶしてなくします。

④固まったら型からはずして整えましょう

固まったら型から外して、底側の芯と灯す側の芯をカットしましょう。

2.ソイワックスはどこで買える?

残念ながら、ネット販売以外では手に入りにくいのがソイワックス。
ですが、ネットショップは、他のショップとの価格などを比較できることもあり、強味ともいえるでしょう。

また、100円ショップでも「ソイキャンドルティーライトキャンドル」が販売しているので、気軽にキャンドル作りにトライできます。

3.ボタニカルキャンドルの花をきれいに見せるコツ

ボタニカルキャンドルの主役はもちろん植物たち。
これらをきれいに見せるには・・・・・・

・大きいモールドの側面側に花や葉の表を向ける

・均一にまんべんなく、できるだけ側面よりに花を配置する

・色、種類なども考えてデザインする


4.ソイワックスキャンドルをアレンジしてみよう!


植物を主役にする以外にも、顔料で色付けをして色を楽しむこともできます。この場合は顔料の代わりに、クレヨンなどでも代用可能です。

また、ソイワックス独特のミルク色に近い「白」を活かして、いろいろな型のモールドでデザインを楽しむのもよいでしょう。

蜜蝋キャンドルの作り方

次に、ミツバチからの贈り物「蜜蝋」で作るキャンドルの作り方を紹介します。

【用意するもの】

◆蜜蝋 100~150g

◆紙コップなどモールド
造形の繊細なものはシリコンモールドがおすすめ

◆キャンドル用の芯 
ワックスの種類やキャンドルの大きさによって最適な太さや種類があります

◆その他、ボタニカルキャンドルと同じ用具
IHヒーター、ミルクパン、ビーカーなど、割りばし、シリコンスプレー、ガムテープもしくは油粘土、はさみ
      
【下準備】

ボタニカルキャンドル同様、①芯をロウ引き ②モールド(紙コップ)の底の真ん中に芯を通す穴をあけておく

1.下準備ができたらはじめよう


1.ワックスを溶かす

2.モールドの底に芯を通し、底から2、3cm出してガムテープ、もしくは油粘土で注いだワックスが漏れないよう、芯が外れないように固定する。

3.割りばしで芯を挟み、モールドの上にセットする。

4.ワックスをモールドに流す(注ロウ温度75度)

5.固まったら型から外して、底側の芯と灯す側の芯をカットする。

2.蜜蝋はどこで買える?


蜜蝋もネット販売が一番種類が豊富です。
お近くに養蜂場やはちみつ専門店がある場合などは、店舗で扱っている可能性が高いでしょう。

1匹のミツバチが一生のうちに作るハチミツはティースプーン1杯くらい(約5g)といわれています。そこから取れる蜜蝋は、なんとティースプーン1杯の約1/10、0.5gくらいなのです。
安価で手に入る石油由来のものよりは、どうしても割高にはなります。しかし、貴重なミツバチからのプレゼントである蜜蝋から作るキャンドルは、あなたの暮らしをやさしく灯し、生活の質を上げてくれるでしょう。

3. 蜜蝋キャンドルはモールド選びが重要!


蜜蝋の魅力のひとつが「色と質感」ではないでしょうか。
粘着性が高いため、花びらなどの綿密な造形などに適しているのです。

そのため、蜂蜜を思わせるようなあたたかい色を活かした、繊細なデザインのキャンドルを作ることができます。

4.蜜蝋の色の違いの理由とは


蜜蝋を見たことがある方はお気づきかもしれませんが、蜜蝋にも色の濃いものから薄いものまで多様にあります。

簡単にいうと黄色味の濃い蜜蝋は「未精製」で、白っぽい蜜蝋は「精製済み」です。

未精製の蜜蝋は、天然の蜜蝋から不純物を取り除いたもので、漂白処理がされていません。匂いは、はちみつのようなほんのり甘い匂いがします。

 蜜蝋に含まれている成分も、漂白処理をされていない分、未精製の方がたくさん残っているので、ナチュラルで素朴な素材の香りを楽しみたい方におすすめです。

一方、漂白処理された精製済みのものも、漂白といっても薬品を使わずに処理したワックスなので、くせが少なく、色や香りのバラつきが少ないのが特徴となります。

どちらも匂いは少ないのですが、精製済みの方がよりアロマ向きといえるでしょう。

まとめ



多くの情報が飛び交い、疑問に思ったことはすぐに答えが出せる便利な世の中になりましたが、逆にそれらに振り回され、こころやからだが疲弊してしまうこともあるでしょう。

そんな中でも変わらないのは、「自然(nature)」です。

人間は進化、成長する生き物ですが、もしも道に迷ったり、自分を見失ってしまうことがあるとしたら。

時には、不変の産物から作られたキャンドルのあたたかな灯りに癒されて、あるがままの自分を取り戻す時間を持つのもよいかもしれません。

植物やアロマ、色彩など楽しみ方もバリエーションが豊富なキャンドル。意外に簡単に作ることができるのも魅力のひとつです。いちどトライしてみてはいかがでしょうか。

あなたが「あなた」でいるために。


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