見出し画像

THE ART of the SPRINT : For Coach Tom Tellez and the Santa Monica Track Club Speed Demons, the Point Is Not Just Winning the Race, but Perfecting the Run. 訳⑥

どうもアクセルトラッククラブの草野です。前回に続き、敬称は記事に合わせて略させて頂きます、ご容赦ください。
原文は以下から↓ 

リラックスして走ること、それがチケットだ
とウィザースプーンは言う。6人とも同じことを言うだろう。テレツ自身、具体的な内容に焦点を合わせていないときは、マントラ(宗教における真言)の如く唱えています。
Relax. Don’t get quick. Slow down.

 「ゆっくり走る?」従来の陸上競技の常識を覆してきたコーチT、スプリンターにゆっくり走れと言うのはどういうことなのか?ほとんどの人がレースについて直感していることとは正反対で、意味がないようにすら思える。しかし、テレツは首を振って「ゆっくり走れ!」と主張する。
ゆっくり走れば、もっと速く走れる

 もちろん、このなぞなぞは答えは明白である。これは禅なのだ。レースを走ることは、人生を走るようなものだ。自分自身を大切にし、自分のペースを保ち、全てのことを自分の「甘い時間」に取り組み、素晴らしい状態でゴールに辿り着くのだ。70年、80年の歳月をかけて自分のペースを保つコツを身につけた人はごくわずかだが、テレツは彼のアスリート達に、本のページをめくったり、誰かとキスをしたりするのにかかる時間よりもはるかに短い10秒程度のレースで、これを行うことを期待している。彼は科学的に「ゆっくり走る」ことが完全に理にかなっているので、彼らがそれをすることを期待している。

 テレツの指導するランナー達は、スプリントの5つのフェーズを熟知している。この5つのフェーズはレースのための完璧なゲームプランを提供してくれる。
フェーズ1:銃声に反応する(1%)
フェーズ2:ブロックから飛び出す(5%)
フェーズ3:ピークスピードへの加速(64%)
フェーズ4:ピーク速度を維持する(18%)
フェーズ5:減速(12%)

 物理学の法則によると、ランナーは最高速度に達した時点で減速しなければならない。せいぜい、ランナーが減速するまで耐えられる時間は1~2秒程度。ほとんどのレースはフェーズ3で勝敗が決まるのは明らかである。急速にスピードを上げすぎると、科学の不可侵な事実に抵抗するためにゴールに辿り着く時間をかけすぎてしまうことになる。それはガソリンを空っぽにして走るようなものだ。
よく起こるシチュエーションだ。ある選手が君を追い越そうとする。君は本能に従って即座にアフターバーナーをつけるか?もしそうしたら君は負ける
テレツは指導するランナー達にそう語っていた。

 テレツが教える体の動きは何十種類もあるが、彼は自分自身の理論を単純化できないハイテクコーチとは違っていた。彼の哲学は、一見矛盾しているように見える一文に集約されていた。
(レースのスタート直後)ペースを落とせば、(ゴールまで)速く走れる。
レースの前半、興奮状態にある選手は表情を引き締め、筋肉を引き締め、意志の力を衰えさせ、ラストスパートでストライドを短くしてしまうが、テレツのもとで学んだ選手は一見楽そうに、大きなストライドで滑らかにレースの前半を走っていた。

「いいから行け!」そうやって育てられたんだ。ゲームプランを持ってレースをすることを学ぶのに長い時間がかかってしまった
とマーシュはこれまでを振り返りながら語った。

パート⑦に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?