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Stop Dragging Your Toes: Part II 訳

2020年4月現在、緊急事態宣言が行われました。『こういう時こそ』、の精神でパートⅡも翻訳に挑戦したいと思います。

↑元記事はこちら

↑パートⅠはこちらに。

では本編です。

パートⅠに続いて戻ってきてくれて、ありがとうございます。

パートⅠでは、「つま先を引きずる」という行為が、なぜ全てではないのか、という点について私の考えを述べました。コーチがアスリートに爪先を擦るように指示する理由として「ローヒールリカバリー」を促進する為にに、「爪先を擦るする」事を過度に循環的な動作をしているアスリートに対して初期加速の為に矯正的な「オーバーキュー」として使用しているのではないかと考えられています。

パートⅠを読んでいただいた方には、『トゥー・ドラッグ』は私が上記のような問題に対処する方法ではない事を理解していただけていると思います。

この第2部では、私が一緒に仕事をしているアスリートに技術的な変更を加える為のフレームワークを紹介し、ブロッククリアランスと初期加速にどのように影響を与えるかという意思決定プロセスを紹介します。

その為このプロセスは少し重くなっていますので読み飛ばしても構いませんが、パートⅢでは私がどのようにしてレースのこの部分をコーチングしていくかについてより詳細に説明します。

Simon SinekのTEDトーク「Start with Why」をご覧になったことがあるかもしれません。このTEDトークは2009年に公開されて以来、5,000万回近く再生されており史上最も視聴されたTEDトークです。 まだご覧になっていない方は、こちらからチェックしてみてください

↑日本語字幕付き。とても興味深い話ですので是非ご覧ください!

主にビジネスリーダーを対象にしたこの講演は、『トゥー・ドラッグ』と何の関係があるのでしょうか? それを説明しましょう。

Sinekの主なメッセージは、「人々はあなたがしていることを買わない。人々はあなたがそれをする理由を買っています。」というものです。 彼は最も成功しているビジネスは、明確な目的意識を持っているものであると感じています。一方、成功率の低い企業は「何を」から始めるので、それゆえ従業員と顧客の両方に自分達がやっている事について関心を持ってもらう事が難しいのです。

私は、コーチング哲学についても似たような見方をしています。 『ウィケットラン』をするとは言わないで下さい、なぜするのかを教えて下さい。『ショートからロングへ』なんて言わないで下さい 、なぜそうするのか教えて下さい。 『トゥー・ドラッグ』をするとは言わないでください、なぜ引きずっているのか教えて下さい。

同様にアスリートに技術的な変更を実装しようとする時は、なぜそれを実行しようとしているのかを尋ねる事から始める事が、いつであろうと必要不可欠です。

最終的に何かが付着する事を期待して、無計画に壁に物を投げつけるような行為はコーチングではありません。 それはコーチングではありません。少なくとも、それは良いコーチングではありません。

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しかし、コーチングに関して言えば、これはいささか不完全です。

『スポーツは問題を解決する活動であり、動きは必要な解決策を生み出すために使用される』 Yuri Verkhoshansky

動きを、その問題に対する「問題」と「解決策」の間の動的かつ反復的な相互作用と考える事を、私は重宝しています。この場合、アスリートは、可能な限り最も効果的かつ効率的な方法でブロックから加速する「問題」を抱えています。そして結果として生じる動きは、その問題に対するアスリートの「解決策」であり、それが今度は別の問題を提示します(つまり、次のステップ)。問題と解決策の関係は相互的です。一方が変化すると、もう一方も変化します。

問題と解決策の間に、アスリート、環境、アスリートの知覚、行動、意図の間に機能的で適応的な関係が存在します。つまり、いつ、どこで、どのように、そしてなぜその動きが起こるのか。最終的な解決策である動きを完全に理解し影響を与えることができるのは、このレベルのコンテキスト解析を通じてのみです。

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A reimagining of Newell’s CLA, as it applies to the problem-solution interface

解決策は、『スタティックなキャッチオール』ではなく、その前のプロセスの全てのステップを尊重しなければなりません。これは、私達が解決策から始め、後戻りするように取り組まないという事を意味します。私達は問題から始め、解決へ進んでいきます。 私達は、解決策であると思われる『トゥー・ドラッグ』から始めるのではありません。効果的かつ効率的なブロッククリアランスと初期加速の問題から始めて、解決へ進むのです。

『この選手は誰なのか、いつ、どこで、この問題に直面しているのか、なぜこの選手はこのような事をしているのか、どのようにして選手に影響を与えることができるのか、より良くなるには ?または何か違いを作るためには?』そして最後に 『結果としての動きは何なのか?』

最後に、アスリートがこのプロセスを最も効果的に進めるためには、問題を「目標」として伝える必要があります。 この「目標指向」の概念は、1960年代初頭にロシアの生体力学者Nikolai Bernsteinによって最初に導入されました。Nikolai Bernsteinは、「目標指向の行動」と「望ましい未来」の重要性について論じました。それは目標が行動を起こさせるという考え方で、行動は望ましい将来のあり方によって駆り立てられます。

『鳥が巣を作る時、その行動は目標に向けられている。鳥は何の計画もなく行ったり来たりしない。それは計画に似たもの、またはその行動が導く目標によって導かれている。捕食魚が獲物を狩る、サルが木に登る、昆虫が必要な花に飛ぶ等々、これら全て、そして他の数え切れないほどの例は目標に導かれた行動である』Bernstein

ここでのBernsteinの言葉は、私たちが望む動きの技術的な目的を選手にどのように伝えるかに、どんな影響を与えているのでしょうか? 私は再び尋ねます。

『爪先を擦る事が目標なのか、効果的で効率的なブロッククリアランスと初期加速が目標なのか?』

パートIIIも是非来てください。

読んでいただきありがとうございました。


STUART MCMILLAN
ALTIS CEO

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