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他人の人生はうまくいっているように見えるけれど、そうでもない

休職中、人生ではじめて心療内科にお世話になった。診断書をもらうためとはいえ、心療内科に通わなければならなくなってしまった自分にショックを受けた。

はじめて心療内科に行ったときに先生に伝えた症状がスマホのメモに残っている。


・朝がつらい
・土日も心が休めない
・寝るとき電気が消えると涙が出る
・寝れない
・朝が来るのが嫌で夜更かしする
・頭が重い
・職場に行きたくない
・何も考えられなくなる
・ご飯を食べる気にならない
・目をつぶると仕事でやらなければならないことがたくさん浮かんでくる
・遠くに行きたい気持ちになる
・家に帰ると涙が出る
・上司にわからないと言われることがストレス
・何かに没頭していればいいが何もしないと仕事のことを考えてしまう

もっと早く休んでもよかったんじゃない?って今の私なら思える。けれど、あのときのわたしは社会人6年目。6年、平日は仕事をすることが当たり前のように過ごしてきたから、休むなんてとんでもないことだと思った。私は弱くない。私はまだ頑張れる。まだ限界じゃない。そう思って自分を痛めつけた。


ある日、いつも見ているはずの書類内容が理解できなくなった。文字が書いてあるということはわかるのだけれど、まったく理解できなくなった。そして、先輩が言ってる言葉が耳に入らなくなった。話かけられていることはわかるのだけれど、理解できなくなった。

さすがに、やばいかも。と思い、夫にこの症状を伝えると

「もう、仕事に行かないで」と

夫が訴えてきた。いつも冷静な夫が、涙をこらえるような声で。

もう、休んでいいのかな。私の仕事は誰がやるのかな。


私に仕事に行かないでくれ、と訴えた夫は自分の上司に我が家の状況を相談し、次の日仕事を休んだ。

僕が君の会社に連絡するから。

僕が君の上司と話をするから。

お願いだから一緒に心療内科に行こう、と。

私が自分で休むという選択ができないことをこの人は知っている。まだ私は頑張れる。まだ休まなくても大丈夫。でも、ここまで私のために動いてくれる人がいる。このチャンスを逃したら私はいつまで頑張る?休むことになったら、おばあちゃんはどう思う?お父さんは?お母さんは?


結局、夫に甘え、心療内科で診断書を受け取った。

適応障害

と書かれたぺらっぺらの紙。この紙の効力は最強でその日から簡単に休職することができた。

実家に行き、家族に報告したときは、「つらかったね。よく頑張ったね」と声をかけられ、必死で涙をこらえた。泣いてしまったらきっと涙が止まらないから。笑顔をつくって、「うん」と言うことしかできなかった。

それから1ヶ月に一度心療内科に通う日々が始まった。当時は診断書をもらうために通っているとばかりに思っていたけれど、今思えばあのときはいつも心にぽっかりと穴が空いていたように思う。しっかりと診察が必要な患者だったのだと思う。そんなときに自分を変えたくて入会したのがSHE。SHEに入って、今までの自分は人と比べていることに気づき、そんな自分とさよならしたいと思った。

心療内科で、「人と比べることをやめました」と先生に伝えると、

他人の人生はうまくいっているように見えるけれど、そうでもないんですよ。羨ましいなって思ってた人も、意外と大したことない。あなたは、あなた。あなたがやりたいと思うことをやったらよいですよ。

休職してしまった自分と同年代のキラキラして見えた友人を比較して落ち込むのはもう、やめよう。私が私らしく幸せに生きられるならそれでいい。そう思えた先生の言葉に感謝する。

そして、今の私はわかる。自分が仕事を休んだって、他の誰かがやる。自分がいなくったって、なんとかなるもの。組織ってそういうもの。それが会社員の特権。だからもし、苦しんでいる人がいるなら、無理する必要ないよ、と伝えたい。どうか、どうか自分を大切にしていただきたい。あなたのことを100%わかってくれる人はいない。あなたしかあなたの心に気づけないのだから。

普通はさ〜という言葉をよく耳にするけれど、普通という基準も人それぞれ。誰かが思う普通から外れてたってどうってことない。幸せは人それぞれなのだから。




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