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アールグレイの香りに包まれて

最近コーヒーの美味しさに目覚めた私だけど、もとは大の紅茶好き。

両方楽しめるようになった今は、一緒に食べるお菓子の種類でどちらを飲むか決めたり、あるいはその時の気分(気合をいれたいときはコーヒーを、リラックスしたいときは紅茶)で決めたりしている。

それでもやっぱり、紅茶を飲む頻度の方が高いかな?今のところ。

紅茶にはいろんな種類があるけれど、普段生活していてよく名前を耳にするのはアッサム、ダージリン、アールグレイの3つじゃないかな、と思う。

その3つの中でも、アールグレイは独特な風味をもつ紅茶だ。

アールグレイは茶葉にベルガモットの香料をつけた”フレーバーティー”と呼ばれる紅茶で、ホットで頂くのはもちろん、アイスティーで飲んでもとても美味しい。
飲んだあと香りがふわっと抜けていくのが心地よくて、ふとしたときに飲みたくなるのだ。

思えば、昔おばあちゃんの家に遊びに行ったとき、おばあちゃんはよくアールグレイの紅茶を淹れてくれた。

フレンチプレスにアールグレイの茶葉を入れ、熱湯を勢いよく注ぐ。茶葉がお湯の中を舞って、しばらく経つときれいなルビー色に変化していく。
小さなカップに淹れるとたちまち良い香りが広がって、私はお茶菓子を食べながら、それをちまちまと飲んだ。

たぶん、フレンチプレスも小さなカップも、最初はコーヒーを飲むために揃えたものだったのだと思う(昔はコーヒーサイフォンもあったそう)。
けれど、そうやって淹れてくれた紅茶はとても美味しくて、自分で淹れた味とはどこか違うのだ。
年季のはいったフレンチプレスの魔法かもしれない。

そんな記憶を巡らせていると、あのあたたかい空間がとても懐かしくて、恋しくなってきた。とても幸福な時間だったなと思う。

これからまた寒い季節がやってくる。
また家族でおばあちゃんの家に遊びに行って、あたたかい部屋でたわいもない話をできたらいいな。
アールグレイを飲みながら。



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