何者でもない私の挑戦の日々

2021年5月に夫とlife pieceという会社を作り、9月から訪問看護ステーションlifeを開業しました。

lifeを暮らしといのちと捉え、真摯に向きあう

これが、私たちの理念です。

そもそも私にはこれといった肩書きもなく、特別な資格を持っている訳でもなく、総合病院で働く一般的な看護師でした。ただ、人が好きで、患者さんやご家族とより深く関わることができる訪問看護は、天職なんじゃないかなァとぼんやりと、でも確信として心の中にありました。患者さんやご家族のいのちが輝く瞬間を、これまでに何度もみてきたので、看護師としても人としても、自分はとても幸せだなと思います。
でも、最後に働いた健診の部署も面白かったな。
たまたま保健師の資格も持っているので、メタボの方に保健指導をしていたのです。
健診当日に「あなたメタボなので痩せましょう」と、いきなり生活習慣に切り込むな荒技に、当初は本当に気が引けていて。面接が苦痛で仕方なかった。
苦痛を感じているのはメタボさんの方だろうけど、あたしだってほんとはこんなこと言いたくないのよ、だからお願い、健診までに痩せてちょうだい!と思ってたよね。
でも途中からふと気づく。生活習慣って、その人そのものだなと。
何を大事にしているか、またその逆かが、その人の習慣の中にある。
それに気づいてからは、自分の習慣も見直すようになったし、相手の方に興味を持ってお話が聞けるようになった。
それからは、指導するという思いを捨てて、とにかくメタボさんの伴走者になろう!と方向転換。そしたら急に保健指導が楽しくなり、メタボさんとの文通や電話のやりとりからまた多くの学びを得る日々となりました。みんな好きでメタボになってるわけじゃないんだよね。
良い方ばかりなので、みんなが自分に優しくなり、健康であってほしいなと心から願う日々となりました。

人には強みも弱みもあって、全てひっくるめてその人が持つ力。助けているようで、助けられている。凸凹があるから、私たちはつながることができる。
life pieceの語源は、西智弘先生の社会的処方の考え方と、わたしの看護師としての経験から学んだことがぴったり重なったところからヒントを得ました。

看護のお仕事をしていると関わる方から受け取ることの方が多く、お金ではとても買えないものばかりです。私の生きる力になっています。だから、いただいた思いや経験や学びを、また次に出会う方の生きる力になるようにお渡しする。恩送りというか、恩返しというか、それがしたくて、また明日も働くのです。

会社を始めましたと報告すると、「すごいね!」と言われるし、私も報告を受ける側だった頃は、同じように反応していました。でも、起業した側になってみると、自分はすごい!なんて、これっぽっちも思っておらず、自分らしく生きるための選択の一つであった、という、ただそれだけなのです。大借金を抱えているし、従業員さんの生活もかかっている、責任重大の、一大プロジェクトであることには間違いないけれど。
もちろん、会社設立までの煩雑さと言ったら数えきれず、起業を決心してから会社の代表として日々走り続ける夫には、感謝と尊敬の気持ちが膨らむばかり。
そのひたむきさや正しさや真っ直ぐさに時に傷つくこともありますが、それは受け取る私の問題であって、夫の信念を貫く姿勢から、多くのことを学んでいる日々です。
経営者の妻としての視点は、まだ言語化できそうにないな。幼稚園児2名を育てている母としての視点はもっと言語化できない。それが悩みなの。

でも、この数ヶ月間で、新しい夫、新しい自分に何度も出会いました。
苦しいことがある度に、ここから自分は何を学ぶのか、自分はどうありたいのか、問い続ける日々です。この経験こそが宝なのでしょうね、きっと。
挑戦者の私に、下を向いている時間はない!とにかく前進。
会社を作ると決めてからは、実際に歩くときに視座を気持ち5センチ上げることにしたマジメなワタシ。
行動から思考が変わるってほんと。習慣が自分を作るって、ほんとだと思うな。
さて、寝ましょう。今夜はおねしょしないでね、息子よ。


疲れ果てて眠るマイスイートハニー2人

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