シリーズ「霊の中に生きる」 No.16人の魂(22)
シリーズ「霊の中に生きる」 No.16
人の魂(22)
三一の神
●聖書の最高の教えは『霊の中に生きる』ことです。
シリーズ「霊の中に生きる」の第16回目です。
「人のたましい」について扱っております。
今日はその第22回目です。
べレーシート
これまで人のたましいにおける「思い」(知性)、および「感情」(感覚)を見てきましたが、今回は「意志」について取り扱います。
ヘブル語は他の言語とは全く異なる特性を持っています。
その特性とは、神の行為を表す「動詞」が基本となっており、名詞も形容詞も動詞から派生しているということです。
英語の動詞は一人称単数形が基本ですが、ヘブル語の動詞は三人称単数が基本形なのです。
聖書で最初の動詞は創世記1章1節にある「創造された」の「バーラー」(בָּרָא)であり、その主体は神です。
特にこの動詞は人には使われず、神専用の特別な動詞なのです。
●1章1節で、「神」と訳された名詞「エローヒーム」(אֱלֹהִים)は複数形ですが、動詞「創造した」は単数形です。
これが成り立つのは、「神」が「三一」だからです。
このことは神の御子イェシュアが死からよみがえられることによって確証されました。
それゆえ、聖書の最初のことばが「ベレーシート」(בְּרֵאשִׁית)となっているのです。
これは預言的です。
預言的というのは、実際に神の御子イェシュアが人となって地に来られて、十字架上で最初のアダムの罪と呪いを終結させ、三日目に死人の中からよみがえることによって新しい被造物の「初穂」となられたからです。
この「初穂」が「レーシート」(רֵאשִׁית)です。
その「初穂」に「~によって」を意味する前置詞「ベ」(בְּ)を伴って「ベレーシート」(בְּרֵאשִׁית)となり、これを聖書は「はじめに」と訳しているのです。
パウロはこれをキリストによる「新創造」(New Creature)と言っています。
ですから、創世記1章1節の「創造された」という動詞には、キリストの贖いが預言的に啓示されているのです。
●しかも、「創造された」の「バーラー」(בָּרָא)を構成している最初の文字が、「御子」を意味する「ベーン」(בֵּן)の頭文字であること。
次の文字が「御霊」を意味する「ルーアッハ」(רוּחַ)の頭文字であること。そして最後は「御父」を意味する「アーヴ」(אָב)の頭文字であることは、決して偶然のことではありません。
「三一の神」が「死からよみがえられた初穂である御子イェシュアによって」、神と人とを表す「天と地」を結びつけて一つにすることを、1章1節は啓示しているのです。
すべてがこの「三一の神」のご支配の下でなされることを預言的に啓示しています。