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構成生薬

覚え方: 「大黄」と「牡丹皮」は名前から分かるとして、残りの生薬。
(冬瓜子)に逃亡(桃仁、芒硝)する」

桃仁・牡丹皮: 寒性の駆瘀血作用
冬瓜子: 排膿・利尿
大黄: 本体はセンノシド。大腸刺激性下剤。大腸を動かし、排便を促す。また、強い抗炎症作用もあるため、昔は急性虫垂炎に「排便+抗炎症」の目的に用いられた。(今は、オペか抗生剤なので、虫垂炎への適応なし)
芒硝: 本体は、硫酸ナトリウム。酸化マグネシウムと同じ役目。浸透圧で水分を腸内に引きこみ、便を柔らかくして排便しやすくする。

処方医の感想とメモ


ツムラ製剤1日量: 大黄2g/日。塩類下剤である芒硝(Na2SO4)も入っているので、瀉下作用は強い。また、苦くてまずいので、若い人に不人気。桃核承気湯とは、上衝の有無で使い分ける。右の下腹部は大黄牡丹皮湯(小腹腫痞)、左の下腹部は桃核承気湯(少腹急結)。

原典

金匱要略

脈候

遅緊、沈実、弦緊

舌候

紅舌。乾燥した黄苔

腹候

腹力中等度以上、下腹部の主に回盲部に抵抗と圧痛がある(小腹腫痞)。

病位・虚実

瘀血・裏の実証と熱証・陽明病

適応

急性虫垂炎の炎症が強い時期に、昔は用いられた。現代では、便秘+瘀血の症例に適応がある。
桃核承気湯との使い分け: 桃核承気湯は、瘀血+上衝(頬が赤いなど熱が上のほうにある)。大黄牡丹皮湯は、下半身の熱が主で、上衝など上半身の症状はない。










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