モチベーションアップの本3冊。良いですよ~。

 太極拳の先生に入門した時にこれだけはまず読みなさいと進めていただいた本が有ります。

 1冊目「日本の弓術」岩波文庫 オイゲン・ヘリゲル著

 この本はドイツから哲学を教えに来ていた著者が、禅を体現する目的で弓聖と言われた阿波先生に弟子入りして弓を極めていく苦難の道筋が書かれています。

 私は、ご自身が先生の先生と北京と東京で離れて独習するむずかしさに直面するとこの本で励まされたそうです。

 阿波先生は「離れ(矢を放つこと)は柿の実が熟してが落ちるように起こるのだ」と教えられるのですが、指を少しづつ離すなどの操作を加えて行おうとするヘリゲルさんに「あなたは全く理解していません」と真っ暗な道場で矢を放すと、その矢が全て真ん中に命中し「これは狙ってできますか?」と言われたそうです。

 しびれますね。

 私の先生はドイツでヘリゲルさんのお墓参りをされて感謝を伝えられたそうです。

 何事かを学ぶというのはこう言う事だなと理解できる良い本です。

2冊目は「きつねうどん口伝」筑摩書房 宇佐美 辰一著

 たかがきつねうどん、されどきつねうどん!!

 ひとつの事を極めるとは、どれだけの工夫や努力がそこに有ったことか。

 同じ味を継続するために、季節により水加減を工夫し、めんを打つ台の高さまで細かに調整する、極めるってすごく大変だけど楽しそうと思える本でした。

3冊目「李陵・山月記」角川書店 中島敦著

 この中の名人伝がお勧めでしたが、面白いです。

 弓の名人のもとで修業を極めると、最後には弓の使い方もわからなくなってしまうという逆説的なお話ですが、これも極めるということの大変さ、また極めるとはどういう事かを教えてくれています。

 何かに打ち込みたい人、打ち込んでいる人、打ち込んでいる人に憧れがある人、多くの人に示唆を与えてくれるのではないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?