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前半のつらみいいいいい!映画「カメラを止めるな!」

「カメラを止めるな!」感想

評価60点
わざわざ見に行くほどではないと感じた。時間つぶしであればちょうどいい感じの作品。まだ映画館で公開されてはいるが、DVDでも十分と感じた。


気になる方は予備知識なしで見に行くのがいいだろう。



以下ネタバレ満載。見たことを前提に書いてある。




最後まで席を立つな。この映画は二度始まる。」というポスターのキャッチコピーがしめすように映画は第一幕、第二幕の構成でなされている。


第一幕での違和感を第二幕で解決し、お見事となるのだろう。しかし、第一幕がひどすぎて私は見ていてつらかった。


第一幕


廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたらスタッフが本当のゾンビになってパニックになり殺戮現場と化すというストーリー。ところどころ違和感がある。不自然な間や、カメラワーク、長すぎるヒロインの悲鳴など。これらは第二幕で解決されるので気にならない人にとってはむしろ好印象だろう。「このシーンはこういうことだったのか」と、してやられた感がはまるのだと思う。

この映画は舞台作品にインスピレーションを受けて作成されたようだ。たしかに第一幕は演劇っぽいなあと思った。やり直しがきかない点において、ワンカットの撮影は舞台作品と同じである。セリフに演劇らしさを感じ、カメラワークや場面展開のやり方は演劇そのものであった。私は多くの舞台作品を見ているため、この第一幕を過去に見た作品と比べてしまい、拒否反応が出てしまった。


第一幕で気になったのは役者の演技とストーリーだ。


演技は不自然すぎる。第二幕を見ればある程度は仕方ないことが分かるがそれでも許容できない。見ていて苦しい演技ぶりであった。


ストーリーはいい加減にもほどがある。アクシデントでもともとの脚本通りではないにせよひどい。第二幕で解決されなかったひどい点を挙げたい。


舞台設定が廃墟であり、車を使って逃げようとするシーンがある。このことから、人のいないような山奥を想像していた。しかし、最後のシーンで町が映り込んでしまったため、車なくてもいいくらい近いことが判明し、がっかりしてしまった。


映像に映り込んでないときの登場人物の動きも気になった。都合のいいときだけ登場するのに、それ以外の時は何してたんだよ、とイラついてしまった。


カメラマンの存在も気になった。登場人物の一人なのかと錯覚するぐらい主張してくる。キーマンなのかと思ったが結局ちがったし。



第二幕

ここで二度目の物語が始まる。第一幕のゾンビドラマを取るまでに至った経緯と撮影当日のドタバタが明かされる。ここでようやくみられるレベルになったなと思った。ヒロインの演技がうまく、いい意味でとてもイラつかされた。第一幕とは別人のようであった。


撮影現場の裏側も知れてよかった。ワンカットでゾンビ役と人形が入れ替わる瞬間や血が噴き出す演出など普段見られない世界があった。


本来ならこの第二幕で伏線が回収され良い映画だったなとなるのだろう。私には第一幕が苦痛すぎて評価はそこまで上がらなかった。


しかし、最後の組体操のシーンは印象に残った。エンディングで、ヒロインを上から撮影するために組体操のピラミッドと肩車で高さをだす演出だ。第一幕では見るのがつらいほどひどいクオリティのため「はやく終われ!」と思っていたのに第二幕では無事に終わってくれ、ピラミッド崩れるな!という応援の意味で「はやく終われ!」と思うようになった。親子の愛や、一つの作品にかける参加者の熱意がそこに集約され、心温まる作品に仕上がった。



結論!

まあまあ良かった。評判があまりに良すぎてハードルを上げてしまったのかもしれない。わざわざ限定公開されてる映画館まで行って満員の中見るほどではない。しかし、感心させるギミックの数々やストーリーの練りこみは会心の出来である。たまたま立ち寄った映画館で偶然見たら名作だった。「知る人ぞ知る名作」くらいの評価がちょうどよかったんじゃないかなと思う。


なんやかんや文句言ったけどしっかり楽しめたカモノハシでした。

これは誰にも知られていない私だけのライフハックですが、かわいい犬の画像を見ると元気が出ます!かわいい犬を見ると元気が出ます!