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第5話 Expert Adviser


FXの自動売買ツールとは、プログラムを利用して自動的にFX取引を行うツールのことだ。


通称、EA(Expert Adviser)と呼ばれるが、もし読者の方がEAと聞いたら

「FXのアドバイザー(プログラム)が人間の代わりにトレードしてくれるものなんだな」

と思ってほしい。


以降、自動売買ツールのことをEAと呼称する。



EAは最初に設定さえすれば、人の手を介さずに、誰でも簡単に取引ができるという特徴がある。

また、ツールが相場の状況を一日中チェックして注文をしてくれるので、仕事などで忙しくチャートを見る時間がないときでも、売買のタイミングを逃さずに取引ができる。

昔は普通に人間が取引(裁量取引)するにしても、EAを設定するにしても、PC上で確認するしかなかったが、今はスマートフォンで簡単に取引結果や、口座にいくらあるか確認できる。


そのため、忙しいサラリーマンでも出先で簡単に取引できるようになり、PCを持っていない若者や、PCの扱いに不慣れや主婦や年配の方にも手が出しやすくなったと言える。




と同時に、投資の素人が詐欺に遭うことが多くなったのもこの頃からである。


また、感情に左右されずに取引できるのも特徴だ。「FXの最大の敵は己の感情」とも言えるほど、感情をコントロールして取引するのは大事なことである。


行動経済学における、いわゆる「プロスペクト理論」については、大半の投資家が陥りがちであると言える。


出典:oneinvest.jp



投資で勝ち続けるには、「損小利大(損失は少なく、利益は大きく)」が重要と言われるが、大半の投資家は逆を行く少額での利確や、多額な損切りを経験しており、その根底にはプロスペクト理論が働いている。


また、投資で1回勝つことは誰でもできるが、勝ち続けることこそ至難の業と言える。

仮に種銭が少ない状態で、

①1ヶ月で1500万の利益を出したが、翌月に
500万損失を出し、年間1000万形成した場合

②毎月約100万の利益を出し、多少の損失は
あれど、年間で1000万形成した場合

この場合、最終的な利益額としては同じだが、投資家として評価されるのは②である。


なぜなら、①はハイリスクハイリターンなトレードをしていることが見受けられ、リスクコントロールが出来ていないからだ。


これから投資家を志す方は、ぜひ②を目指して欲しい。


さて、EAの話に戻るが、まずは取引するにあたり「ドルと円(USD/JPY)」と言ったような通貨ペアについて決める必要がある。

紹介者の話としては、

⚫︎オーストラリアドルと円(AUD/JPY)
 ▶︎リスク低 リターン低

⚫︎ユーロとドル(EUR/USD)
 ▶︎リスク中 リターン中

⚫︎ポンドとドル(GBP/USD)
 ▶︎リスク高 リターン高

この3種類を販売しているとのことだった。


リスクとリターンについては、ボラティリティ(変動率)が関係している。


出典:SMBC日興証券



ボラティリティとは、「値動きがある」ということ。値動きがほとんどない通貨ペアでは、取引によって利益を出すことは難しい。

利益を出したい場合はある程度ボラティリティがある通貨ペアを選ぶことが重要だが、同時にリスクもある。


ただし注意しておきたいのは、ボラティリティが高い方が利益を出しやすいものの、同時にあっという間に損失が出てしまう可能性もあるということだ。


基準値としてはボラティリティが安定しているといわれているAUD/JPYEUR/USDを基準として「この通貨ペアはボラティリティが高い・低い」と判断すると良いと言われるため、これに関しては紹介者の話に嘘はない。



神威はAUD/JPYとEUR/USDのEAをセット料金15万で購入し、EAでの取引を開始した。


第6話に続く

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