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『1億人のSNSマーケティング』のレビュー

今のSNSのマーケティングってどうなの?ということを知りたい人には、おすすめできる本です。

ネットの世界は動きがとにかく早いので、SNSマーケティングの最新事情を把握する入門本としては最適じゃないでしょうか。

SNSでモノは売れるの?

そもそも、SNS使ったからってモノが売れるの?というシンプルだけど今さら聞けない感のある疑問にも回答してます。

ツイート数と販売実績に正の相関があることを紹介したり、クチコミと売上に相関がある事例をもってきたり・・・SNSを使うとモノは売れますよ、という基礎情報もしっかり紹介しているのは入門書たるところ。

とはいえ、SNSで効果があるかどうかはその使い方によるよ、というのはもちろんの話です。

業界や商材別にどんなSNSマーケティングがあるのかを紹介したり、また、各SNSがどんな特徴を持っているのかについても説明しているのは、とにかくSNSを使えばいいってもんではない、という筆者の問題意識からだと思います。

じゃあ具体的にどう使えばいいのか?っていうことについては、下記の本が参考になると思います。本書では概要にとどまっているので詳細は語られていません。

情報伝播の仕組みが変わってきた

ネットの世界は動きが早い、と書きましたが、じゃあ、どんなところが変わってきたのか?

まず、SNSの普及によって情報伝播の仕組みが変わってきたといいます。

従来は1つのマス広告を中心に、情報がマス(大勢のn人)へと伝播していた。これを「1対n」と表現。

それが今は、「n対n」になっていると説きます。どういうことかというと、個人のメディアともいえるSNSという情報発信手段をそれぞれがもっていて、その大勢のn人の個人が、商品・サービスのクチコミを発し、そのクチコミを起点に情報が広がっていると。

ちなみにこのクチコミのことを「UGC」といったりします。User Generated Contentsの略。

検索行動の変化

それから、「検索」というのがGoogleやYahoo!だけではなく、SNSを使った検索が普通になってきていることも大きな変化として紹介されています。

GoogleやYahoo!をつかった検索では、商品詳細やハウツー情報が求められている。イメージとしては図書館みたいな感じでしょうか。なにか調べ物をするための検索。

一方、SNS上の検索では、ユーザーは商品の使い勝手とかリアルな声を求めている。

レストランとかファッションとかコスメだったら、インスタで検索しちゃいそうですよね(私はあまりやらないですが)。となると、ここでもクチコミの重要性が高くなっている、といいます。

というわけで、まとめると本書は、コミュニケーションの仕方が今現在どう変わってきているのかをざっと説明してくれている内容になっています。

あ、コミュニケーションというのは、広報・広告・PR関係のことです。なぜか一方的な情報伝達であっても、この業界では「コミュニケーション」という表現を使うんですよね、個人的にはかなり謎です。

項目ごとに説明されているので、気になるところや知らないところだけ読むのでも十分だと思います。

タイトルの謎

ちなみにタイトルの「1億人」というのは、何を根拠にして決められたのかよくわかりませんでしたし、副題の「バズを生み出す最強メソッド」というのも、本書の主軸とはどこか違うと感じました。一般的にウケそうなタイトルにしたんですかね。

このタイトルと内容の違いがアマゾンでの低評価を招いているような気がして、もったいないなと感じました。


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