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『攻めるロングセラー』のレビュー

2017年8月発売。

パインアメのTwitterの「中の人」が書いた本です。パインアメとは、黄色い、穴のあいたあのアメのことです。

Twitterの中の人が書いた書籍は、こないだ紹介した『寄り添うツイッター』とあとは数えられるくらいしかありません。

2年以上前に出版された、ということを差し引いても、『寄り添うツイッター』のほうが読み応えがあり、実務上、役に立つ内容が多かった印象です。

最新情報という意味でも、読むなら『寄り添う~』をおすすめしたい(ごめん、パインあめ)。

パインアメTwitterのはじまり

現在パインアメのTwitterフォロワーは約13.7万人↓↓

それほど多い数字には見えませんが、パインアメの企業規模が、広報部も広告宣伝部もない社員100名ほどのパイン株式会社であることを考えると、かなり頑張っているといえそうです。

著者であるこの中の人は、もともとは管理部という受発注などを管理する部門だったそうです。

たまたま自身がはまっていたTwitterを広報として取り上げてはどうか、という提案をしたところ、経営幹部に受け入れられとか。

ただ、誰もTwitterを知っている人がいなかったことから、その提案が自分にまわってきて担当することになったといいます。

具体的なTwitter運営について

そんなパインアメのツイッターで気をつけていることは2点。

・特定の人を傷つける内容の投稿はしない。
・パインアメや自社商品から離れすぎない。

特に決められたルールやマニュアルは存在しない、上司の事前チェックはないという点は『寄り添う~』のキングジムと同じです。

Twitterのメディア特性上、マニュアルやルールがあったら逆にうまくいかなかっただろうなと容易に想像できます。

次のさりげない一文が印象的でした。

「Twitterは、手軽にお客さまの声を直接聞くことができ、逆に、お客さまにとっても一番手軽に企業に感想や意見を伝えられる場所なのです(p.55)」

自社で販売している商品や企業ならまだしも、卸・小売店を通じて販売している企業は、エンドユーザーとの接点が少ない。その意味で、きわめて大事な視点だと思います。

シャープ、井村屋、キングジム、タニタなど、Twitterの活躍が目覚ましい企業は、どこも自社の直営販売店を持たない企業という共通点があります。

ユーザーの声を直接聞く、ユーザーと直接コミュニケーションをとる、という意味でも、Twitterの重要性が認識されていて、その結果、続いている(続けるという判断をしている)のかなという気がします。

3万リツイートされた投稿

興味深い逸話は、3万リツイートされたあるツイート。

「パインアメは吹いても鳴らない」ということは多くの人が知らないことに気付いたときに、「パインアメは実は鳴らない」という旨のツイートをしたところ、なんと、3万リツイートもの反響があったそうです。下記のツイートです。

社員にとっては当たり前でも、顧客にとっては当たり前ではないことも多く、それがネタになるいい例として紹介されています。

ツイッターを通じたコラボ商品は24種類を数えるそうで、商品開発や販売にも大いに貢献しているアカウントのようです。


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