ご機嫌ななめの日本株
日本株がこのところご機嫌ななめです。理由は、
①人工知能・半導体関連のリスクが高まった
②アメリカの景気後退リスクが高まった
③日本の消費回復がまだはっきりと見えていない
などにあるとみます。
まず、アメリカの主要な半導体関連銘柄で構成する、通称「SOX指数」とも呼ばれる株価指数「フィラデルフィア半導体株指数」が不調です。PCに関わる半導体メーカーの収益が、アメリカの景気減速で改善しない恐れが強まっています。
これは人工知能関連ではなく、景気敏感銘柄なので嫌われています。つまり、人工知能に関わる半導体関連全体に問題があるということではありません。ただし、人工知能関連も、投資額が大きい割にどのくらいの収益になるのか分からないという成長への疑念はまだ残っていますので、全体的に回復が遅れています。
アメリカの景気後退リスクの高まりは、8月初に発表された7月の米雇用統計に市場が神経質になったことに始まりました。9月6日発表の8月の雇用統計は悪くなかったのですが、市場が今年7月ごろの自信に満ちた状態に戻るほどよくもありません。
こうなると米連邦準備理事会(FRB)の利下げに期待することになるのですが、FRB高官が経済指標次第だといつもの調子で述べたので、大幅な利下げが期待できないとの見方につながりました。
日本の回復は進んでいますが、やっと賃金上昇が物価上昇を抜くかどうかというところで、コメ不足もあり消費の大幅改善が見えてきていません。
半導体関連は今後主要銘柄の収益が回復すること、FRBが利下げを始めること、日本の消費が回復することを待つ時期になっています。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113