J-REITをどうみるか

11月に入ってJ-REITが乱高下したようにみえます。2019年は10月末までおおむね右肩上がりでしたから、高値波乱という印象です。東証REIT指数は年初から11月1日まで28%も上がっていましたが、今月に入って一時5%以上も下落。この10日間ほどでだいぶ持ち直したところです。まずJ-REITの今後ですが、2019年後半の上昇ピッチの速さから調整局面となるかもしれませんが、横ばいを想定してよいと思います。消費税増税後のインフレは一時的で財政拡大の影響も当面大きいと想定していないので、日銀の金融政策やREITの買い付けについて大きな変化は予想していません。金利上昇の可能性も低いとみています。そうなると、金利に対するJ-REITの魅力は低下しないことになります。REITはくれぐれも価格上昇を狙うのではなく、分配金の高さに魅力があります。REITは不動産会社の株式と違い、利益を成長にまわさず分配するのが原則です。REITが仕組みや分配の面から安心感を与え始めた2013年ごろを基点に、このところの5~6年を見直してみると、価格上昇しながらも利回りがあまり下がっていません。逆に言えば、分配が改善する分価格が上がったともいえますので、金利低下に応じて魅力が増すことになります。REITは単に値上がり狙いではなく、国債や社債と比べて償還はないが利回りが高いことに注目し、投資の目的に合わせて保有を考えてください。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕

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