FRBの0.5%利下げの意味
米連邦準備理事会(FRB)は9月18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.5パーセント引き下げることを決定しました。
この引き下げ水準は、市場の直前予想におおむね合致しており、市場の反応はそれほど大きくありませんでした。FOMCに先立って一時1ドル=140円割れのドル安円高になっていたドル円市場はひとまず143円程度に戻りました。
FRBとしては、市場が景気後退を心配する気持ちにいったん寄り添ったかたちになり、そのおかげで、年末までの金利、ドル円相場、日米株式市場のブレが小さくなったと言えそうです。
FRBの資料によれば、今後政策金利は年末までに0.5パーセント、その後四半期ごとに0.25パーセントの引き下げが続くだろうとしています。FRBは景気後退をさほど心配しておらず、いかにも機械的な利下げに見えますが、今回の0.5パーセントの引き下げで、経済や市場の状況に合わせて機動的に対応することもうまく市場に伝えたと考えます。
米長期金利は3.7パーセント程度で今後の利下げをかなり織り込んでおり、実際に利下げの発表の後少し上昇していますので、今後落ち着いた動きとなると期待できます。ドル円も同様に、前もってドル安円高になっていたので、今後も140円台前半のレンジで推移するとみています。
米国株は、アメリカの景気後退はないと想定してブレは小さくなるでしょう。日本株は、世界の景気安定を背景に輸出数量が高い水準にとどまり、多少の円高でも賃金上昇や設備増強が続くことを背景に為替離れし、中小型や国内関連銘柄の物色が強まるでしょう。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
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