10月の米雇用統計は強かったのか?
11月1日に10月の米雇用統計が発表されました。
大型ハリケーンやストライキの影響は前もって予想されていましたが、実際には非農業部門の雇用者の増加数が市場の予想よりかなり低くなりました。
これは、アメリカの景気が減速する兆しに見えます。インフレ圧力も低下するとみられ、金利低下、ドル安要因です。
一方で、賃金上昇率は4パーセントと高めになりました。賃金が上昇するとインフレが持続しやすく、米連邦準備理事会(FRB)もなかなか金利を下げられない、ドル高要因となります。
指標発表当時のマーケットの反応は、両方合わせると賃金上昇率の上昇に影響を受け少しドル高、その後大統領選を控えて円高に戻りました。雇用統計は総じて順調で、FRBは政策金利を少しずつ引き下げると言えそうです。そうなるとドル円は今後緩やかに円高圧力が強まることになります。一方で、日銀はゆっくりとはいえ政策金利を引き上げることが予想されるので、これも円高圧力です。
ただし、アメリカ経済は減速しても、後退するとは予想しません。成長率が低下してもプラスを維持することと、マイナスになることはずいぶん違います。成長率が低下する減速の可能性は高いのですが、アメリカ経済は、ソフトランディングで高い生産や消費を維持するでしょう。
そうなると、日本の輸出の水準は横ばいで、人手不足と設備投資の増加が続きそうです。人手不足は日本の賃金の上昇継続と消費の回復につながります。ドル安円高・金利高でも日本株が上昇する可能性が高いとみています。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
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