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【なぜあなたはダイエットに失敗するのか?】進化と文化のミスマッチから読み解く現代人が痩せられない理由

約13億人。
肥満、あるいは過体重に分類される世界人口です。
この数字は栄養失調で苦しむ人の数約8億人を優に超えます。

これは人類の功績と呼べるでしょうか?
それとも失策?

いずれにしても人類の歴史上、異常な状態であるのには誰もが納得でしょう。

ではなぜ私たち現代人は、こんなにも太りやすく痩せにくくなってしまったのでしょうか?
今回はこの疑問に、進化論的な視点からお答えしていきます。

現代人が太る原因
|進化と文化のミスマッチ仮説

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私たち人類は、全歴史の過程のほとんどの期間を上図の左側のような環境で生活を送っていました。

しかしここ5、60年の文化的な発展で、良くも悪くも右側のような生活強いられていますね。

問題なのはその文化的な発展のスピード。
生物が周りの環境に適応進化するには通常何百世代とかかります。

したがって、こんなに裕福で便利な世の中になった今でも、私たち人類はサバンナで生活することを予想してこの世に生まれてきますし、脳もサバンナで生活することを想定しています。

このように、進化の過程と文化発展が適合せず、それが引き金になって身体の不調を来たすことを総称して“進化と文化のミスマッチ仮説”と呼びます。

ではここからは、肥満や過体重、ダイエットに関連する進化と文化のミスマッチについて、詳しく解説していきましょう。

肥満関連の進化と文化のミスマッチ①
|運動不足

これは誰もが確信をもってうなずけるところですよね。
現代人より私たちの祖先の方が、毎日活発に体を動かしていました。

化石の結果から、石器時代の主婦に相当する女性の骨密度は、現代の女性アスリートと同レベルであることが示されています。

ただし、運動不足が肥満に対して致命的な影響があると断定できる証拠はないように思えます。

それよりもむしろ、身体的不活動時間の短縮や知的活動を伴った(ルーティンワーク的でない)仕事の減少など、複数の要因が組み合わさった結果が、現代人を太らせると解釈した方が良さそうです。

肥満関連の進化と文化のミスマッチ②
|甘未への欲求

私たちの祖先が生きていた環境では、糖分が豊富に含まれた甘い食物は、生きていく上で非常に貴重な贅沢品でした。
(蜂蜜か熟れた果物くらい)

だからこそ私たちの祖先は、糖分に向けた強い欲求を進化させてきたのです。

その甘味への強い欲求は、砂糖で溢れかえった現代になっても、私たちを無駄に“そこへ”と向かわせます。

そしてその旧来の本能は、現代の食品業界がたっぷり利益を上げる為に利用され、その副産物として私たち一般消費者はプクプクと太っていくわけですね。

これは私たちが、進化と文化のミスマッチ的な理由で痩せることができない最も顕著で分かりやすい代表例と言えるでしょう。

肥満関連の進化と文化のミスマッチ③
|子供の教育方法

私たちの祖先がどのように子供を教育していたのかなんて正確には分かりませんが、少なくともご褒美や慰める手段としてお菓子をエサにして釣ってはいなかったでしょう。

ある研究によると、幼少期にどういった食生活をしていたかによって成人後の食事パターンはある程度決まることが示されています。

何かを達成したご褒美や泣いている時の慰めを、お菓子で与えられていた子供は、後の人生で肥満になるリスクが優位に上昇するそうです。

詳しくは書籍[人はこうして食べるを学ぶ]を参照してください

肥満関連の進化と文化のミスマッチ④
|腸内環境

現在、ダイエット関連並びに美と健康の専門家と名乗る人で、腸内環境に全く目を向けない人はもはやモグリといえるでしょう。
長期的に美と健康を維持したければ腸内環境を最適化しなければ難しいと考えざるを得ません。

そこで、進化と文化のミスマッチが腸内環境を悪化させる代表例がこちらです。

①食物繊維の摂取不足
②屋内の過剰消毒(衛生仮説)
③帝王切開
④粉ミルクの使用過多
⑤運動不足

どれも私たちの祖先がやってこなかった振る舞いですよね。

ここでも進化と文化のミスマッチ的な視点に立つことの重要性に気が付くことができるはずです。

腸内環境の改善法についてはこちらの動画を参考にしてください。

肥満関連の進化と文化のミスマッチ⑤
|脳の認知システム

痩せる為の方法やダイエットメソッド、、
巷には色々な部類がありますが、結局のところいかなる方法論を実践するにしても、継続しなければいい成果は得られませんよね。

ここにも進化論的な影響が影を潜めます。

それが時間割引というシステムです。

簡単に言うと、未来の報酬より今の快楽を優先的に選択するよう私たちを誘導する心理的な仕組みのことです。

かつて祖先たちが暮らした過酷な環境では、生存と繁殖の確率を高め、種の繁栄に貢献したこの仕組みが、現代ではエラーを起こしているんですね。

時間割引を克服し、ダイエットに成功したいと願う人はこちらの動画をご視聴ください。

最後にもう一言

いかがでしたでしょう?
世界的に見れば、日本人は痩せた方のグループに分類されます。

だから日本では、WHOが定める肥満の基準よりも厳しい基準を採用しています。
そして我が国は長寿の国でもありますよね。

これら事実を鑑みると私は、そんな優秀な日本人に対して少し危機感を煽り過ぎかもしれません。

ですが、もしより質の高い人生を望むのならば知識は大いなる力となるでしょう。
その点では今回テーマの“進化と文化のミスマッチ仮説”は、1つの有効なレンズとなることは間違いありません。

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[参考文献・引用図書]
・PRIMATE CHANGE-How the world we made is remaking us-/Vybarr Cregan-reid
・First Bite -How We Learn to Eat-/Bee Wilson
・10%HUMAN/Alanna Collen

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