アレルギー1

「前のお店でカラー剤が合わなかったからココに来ました」と言われた時に……美容師が知っておきたい★ケミ用語集

美容師は必須、お客さまも知って損はない!
「アレルギー」に関するケミ用語(ケミカル用語)をまとめました。

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これで完璧☆プロのケミ会話集⑧

お客さま 前行っていたお店でヘアカラー剤が合わなかったので、このお店を予約しました。違うブランドのカラー剤なら大丈夫かもしれないと思って。
美容師 お客さま、もしその反応がアレルギーだった場合、残念ながら他のブランドやメーカーのカラー剤だったとしてもご利用できない可能性が高いです。なぜなら、アレルギーは花粉症と同じで一度発症すると治らないものだから。ぜひ一度パッチテストをさせていただき、アレルギー反応を診断させてください。
美容師 パッチテストは[すべて or 新規]のお客さまに行っています。アレルギー反応が表れるのは、検体(薬剤)塗布後[すぐ or 最大48時間後]なので、次回予約日の●日前に5分ほどお立ち寄りいただけますか?
お客さま そうなの!? 白髪が気になるのに、とてもショックだわ。ヘアカラーは一生できないってこと……?
美容師 希望を捨ててはいけません。ヘアカラー剤には、一般的なアルカリカラー以外にたくさん種類がございます。また、今のお話だけではカラー剤にアレルギーを起こしたのかもわかりませんよね。●●●●●●●、ヘナなど、当店のヘアカラー剤すべてで適正にパッチテストをすれば、使えるカラー剤が見つかるかもしれないのです。

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[ or ]内、●●●に何が入るか分かりましたか?

分からない方は下記のキーワードをチェックしてくださいね!
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[美容室にまつわるアレルギー(1)]

――ヘアカラーや薬剤への対応――

【接触皮膚炎】

刺激物またはアレルゲンによって引き起こされる皮膚の急性炎症。かゆみ、発疹、かぶれ、水疱など、原因によってさまざまな症状が出る。

①刺激性接触皮膚炎

皮膚に刺激物が付着して起こる接触性皮膚炎。医薬部外品、化粧品問わず発症可能性があり、使用中や直後から肌がピリピリしたり赤くなったりして、すぐに異常が生じる。付着面に皮膚炎の症状が出て、取り除かれるとやがて炎症は収まる。刺激物が付着したときの体調や肌のバリア機能の状態によって発症するもので、特定の物質に対して必ず繰り返し発症するものではない。

②アレルギー性接触皮膚炎

アレルギー反応による皮膚炎。アレルゲン(抗原)が皮膚から体内に入り、免疫細胞が異物と認識して外に追い出そうと抗体をつくる感作という働きによって発症する。薬剤や薬品の使用中や直後に異常はないが、1~2日経つと腫れやかゆみが出たり赤くなったりする。一度体内で感作が起きるとリセットできないので、特定の物質に対するアレルギー反応は、接触するたびに繰り返される。皮膚炎より重篤化して呼吸器やその他臓器にも影響が出るアナフィラキシーショックなどを起こす可能性もあるので、細心の注意が必要。

【ヘアカラーとアレルギー】

ヘアカラーにおけるアレルギーの大半が酸化染毛剤に含まれるジアミン(パラフェニレンジアミンなど)がアレルゲンであることが多い。

①パッチテスト

アレルギー性皮膚炎を起こさないためには、体内ですでに成立している感作反応があるかを知り、その物質と接触しないようにすればよい。そのためにパッチテストは重要な予防策であり、ヘアカラー事故を防ぐためにも、すべての顧客に対して必ず実施しなければいけない。

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