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金曜日の日記/劇場版『ダウントン・アビー』『村上T』などなど

 今週は仕事のリリースがふたつあった。ひとつは、図案デザインと監修をしたコスモ刺繍糸70周年記念の刺繍キットが発売された。こういうキットは仕上がる前に挫折してしまう性分なので、刺繍をしなくても、少し刺繍しただけでも、たくさん刺繍をしても、いつでも可愛く未完成に見えないことを意識した。70周年の節目の大きな企画で大々的に売り出される予定が、合同展示会などの中止で小規模になってしまったそう。それでも欲しい人に届くとうれしいです。

 もうひとつは、今日発売のオズマガジン7月号の「MY TOKYO STORY」という企画に東京のすきな風景の刺繍を。私は最近よく散歩に行く日本橋中央通りを選んで刺繍しました。緊急事態宣言中の制作で、最後に中央通りを散歩した日のことや、東京のすきなところについて、ひとりでこそこそと考える時間は心温まった。やっぱり思い出があるってしあわせだな。

 映画館で観れなかった劇場版『ダウントン・アビー』を満を辞してレンタル。長年見てきた屋敷の人々の関係や近代化していく街並みとライフラインを眺めていると、時の流れに胸が一杯になる。この先カズオ・イシグロの『日の名残』のような屋敷制度の衰退の時代がやってくると想像するのは切ないけれど、屋敷のみんなそれぞれに明るい光が見えるいいお話だった。これで完結なのかな。シーズン1からもう一度観たくなってしまった。たくさんの登場人物に次々スポットライトを当てていく脚本は相変わらず圧巻!

 イヌのキャラクターとクレイアニメが可愛いな〜程度に思っていた『ウォレスとグルミット』の映画を何気なく観たら、めちゃくちゃおもしろくて、ひさしぶりに声を出して笑った。グルミットのちょっとした仕草や目の動きが工夫されていてとても可愛い。可愛くておもしろいって最強だな。村上春樹さんのTシャツに関するエッセイ本『村上T』も届いた。これも見た目がすごく可愛い本で、そしておもしろい。表紙と紙の分厚さ、重さ、スピンの色、ぜんぶいい感じ。そういうのわかるのか、こどもが気に入って一日中持ち歩いてた。たぶん本当にいろいろわかるんだと思うけど、まだ喋らないから平然とひみつをたくさん抱えていている。こどもってたくましくて、なんだか羨ましい。

 近所の花屋で安いピンクの束をふたつ買ったら家に似合わないくらい立派な花束になった。明日は湿度97%らしい。ついにお散歩も難しくなる。家でなにをしようかなぁ。

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