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あえて選ぶメリットはない。投資におけるドルコスト平均法の“本当の意味”とは

投資の記事や本の中で、ドルコスト平均法という単語がよく出てきます。長期でインデックスファンドを積み立てていく“ふつうの資産運用”において「リスクが下がる」とメリットだけ書かれがちですが、それはあるケースだけを切り取った視点であり、十分ではありません。

長く資産を運用していく中で、抑えておくべき重要なポイントがあるので書きます。

まず、ドルコスト平均法とは、定期的に一定金額を購入していく方法です。毎月や毎日など、同じ金額を購入していきます。投信積立なんかがこれにあたります。商品の金額によらず一定金額分を購入するので、商品が高いときは少なく買い、安いときに多く買います。結果として購入期間中の購入金額が平準化され、一時的に生じる大きな損失を回避することができます。

なんだかよさそうに聞こえますね。では重要なデメリットの部分について書いていきます。

たとえば手元に100万円のお金があったとき、一括で投資するか、あるいはドルコスト平均法にのっとり5万円を20ヶ月に分けて投資するか。この場合は一括で投資すべきです。分ける場合、すべてのお金を投資にまわすのに20ヶ月もかかってしまい、その間投資していないお金は低金利の普通預金などで眠ってしまうからです。

投資における重要な概念として複利があり、投資で得た利益を再び投資にまわします。一括で投資したことによる利益を投資にまわすことで、長期的な利益を生みます。分けて投資する=ドルコスト平均法を選択すると、この複利の効果が小さくなってしまいます。

別のデメリットとして、商品の値動きによってはドルコスト平均法を選ぶと利益が下がってしまう、あるいは損失を出してしまうケースがあることも知っておかなければなりません。

たとえば商品の金額が右肩上がりの場合。はじめが一番安くおわりが一番高いので、はじめに一括で購入すると購入単価がもっとも安くなります。これを積立購入すると、時間がたつにつれ商品金額が上がり、結果的に購入単価が上がってしまいます。このケースでは利益が下がってしまいます。

あるいははじめとおわりが同じ金額で、その間だけ金額が高くなる場合。はじめに一括購入すると収支はプラスマイナスゼロですが、積立購入の場合は金額が高いときにも購入するため、結果的に損失を出してしまうことになります。

こういったデメリットを理解しないまま、ドルコスト平均法のいい面だけで判断すると、望まぬ結果になる可能性があります。投資への不安がある人に対して、ドルコスト平均法の「リスクが下がる」というメリットはよい口説き文句になります。しっかり判断しましょう。

ドルコスト平均法は、たとえば毎月の給与から積立購入するなどした場合に結果的に選択されるものです。これ自体にはなにもわるいことはありません。計画的に資産を運用していくよい方法です。

ここでいいたいのは、手元に投資用のお金があるにもかかわらず、あえてドルコスト平均法を選択するメリットはない、ということです。数十年単位の、商品の金額が上がることを前提とした投資においては、仮に高値で一括購入してしまっても十分値上がりすることが期待できます。

もちろん商品によっては購入のたびに手数料がかかるものもあり、この場合はなおさらです。

一方で、心理的側面については大きなメリットがあります。長期でインデックスファンドを積立購入するような資産運用において、商品の値動きに一喜一憂したり、大きく値下がりして不安になったりすることをやわらげてくれます。特に投資をはじめて間もない方にとっては安心です。

購入金額を平準化するという事実と心理的安全性。ドルコスト平均法の2つの性質を理解した上で、自分にあった方法で資産をつくっていきましょう。

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定期的につみたてていくとドルコスト平均法により購入単価が平準化されます。そのときの頻度についても書いたのでご覧ください。

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プロダクトマネージャ/エンジニア。共著に『現場で使えるRuby on Rails 5』。妻と娘、猫とのんびり暮らしています。
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