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【リハビリ中】15年ぶりにイラストを描いた件。

きっかけ。

最近、お絵描きのリハビリをしているので、その記録を綴ってみようと思いました。
私の場合は、模写から始めました。
先日、ようやく下絵から着色まで自力で行ったイラストができあがったので、記念に書き込みです。

私はお絵かきが大好きでしたが、高校を卒業してからはほとんど描かなくなりました。
15年ほど、ほぼ絵と無縁の生活をしていたことになります。

この間、何度も絵を描こうとしましたが、挫折しました。
少し絵を描いてみては、気に入らずすぐに捨てる、という流れを繰り返していたためです。
下絵の完成にすらたどり着かないので、「もう自分は絵を描けないんだな」と、苦い思いをしていました。

絵のリハビリには、模写がありらしい。

2019年の11月頃、「似たような境遇の人がいるんじゃないのかな?」と思い、「絵のリハビリ」と検索し、以下のページにたどり着きました。

私はこれを読んで、
「模写ってありなんだ。いきなり全部を自力で描こうとするから、上手くいかないんだ」
と、素直に納得したのです。

たとえば、足を怪我して、歩けなくなった人は、リハビリでいきなり自力で立たされることなんて、ほとんどないでしょう。
まず壁をつたったり、杖を使ったりして、拠り所を確保し、それを利用して歩く動作を再習得していくのです。

絵も、なにかしらの拠り所を用意すればいのか、と思ったら、とても気持ちが楽になりました。

模写1 『3月のライオン』

2020年1月、私がリハビリとして最初に行った模写は、漫画の表紙でした。コミック『3月のライオン』の表紙です。
(羽海野チカ『三月のライオン』13巻,白泉社,2018)

ひなちゃん模写psd

仕上がった模写は、羽海野先生のイラストといろいろ違いますが……見本がある絵を試してよかった。
自力で一から行うと苦痛だった、たくさん引いた線の中から、候補を絞っていく作業が、「こうするとよりいい形になるかな?」と考えられる時間に変わったのです。

また、この模写を通して、自分の技量について知ることができました。
「上手くはないが、凄まじく下手にはなっていない」
これが少し励みになり、この模写を清書に持っていこうと決めました。

着彩用マーカーを作業用に準備する

5年ほど前も、私は絵を描こうとして挫折しています。
このとき、コピックチャオという製図用マーカーを144色購入し、一回も使っていませんでした(汗)。

今回はさすがに使いたいので、作業時の効率を最優先として、以下の準備をしました。
 (1)手持ちの色を色相ごとに揃え、明度順に配置する
 (2)色見本を作る

コピック

これで、だいぶ使いやすくなりました。
また、トレース台も購入して、絵を描く環境を整えました。

模写2 ガレットを描く

準備が済んだら、コピックを使う練習をしたくなったので、料理雑誌の写真を模写することにしました。
(「卵とチーズのガレット」『食べようび』,2013年11月号,オレンジページ,p.48)。

ガレット

着彩のしはじめは、あまりのひどさに、「こんなんで、仕上がるんかい……」と正直絶望していましたが、粘った結果、なんとかそれっぽく見える形になりました。
この模写で「諦めないで、とりあえず頑張れば、最低限は出来上がる」と学習しました。

私は、まだ描ける。と、気付かされました。

着彩、ひなちゃん

ここまできて、『三月のライオン』のひなちゃんの清書しました。

ひなちゃん着色

模写のイラストを、トレース台を使ってトレースダウンし、コピックで着彩しました。
この作業で、着彩の感覚を取り戻したり、混色のコツのようなものをつかめました。

下絵から着彩まで。『十三機兵防衛圏』

ここまで描いて、ようやく私は思いました。
「下絵から自力で描きたい」

ここ数年の失敗から、私はどうも人体を描くのが苦手らしいと気づいてはいて、推論を立てるようになっていました。
「もしかして、人体を描くときのアタリのつけ方が悪いのではないか?」

2020年3月、本屋さんに向かいました。
ちょうど、新刊としてうってつけの参考書が出ていました。

柾見ちえ,大黒屋炎雀『キャラデッサン作画練習帳』(グラフィック社,2020)
https://www.amazon.co.jp/dp/4766133986

人体の骨組みをベースとしたアタリのつけ方が、丁寧に解説されている良著です。
立ち読みで即座に「これだ」と確信し、購入して帰りました。

描く題材は、『十三機兵防衛圏』(アトラス,ヴァニラウェア,2019,PS4)というゲームの、「南奈津乃」ちゃんです。
本を片手に、下絵を進めます。

なっちゃん下絵

「あんなに苦しかった人体が、たった本一冊で、最後まで描けた……」
衝撃で、早く参考書を買っておけばよかったと軽く後悔。

下絵はトレース台を使ってトレースダウンし、コピックでの着彩に移りました。

なっちゃん着色

なっちゃん完成

影がリカバリできないぐらい濃くなり、思いっきり奈津乃ちゃんの顔を失敗しましたが、最後まで進められました。
改善すべき点は靴や顔等、様々見られましたが、15年ぶりに下絵から着彩まで自分で行った絵を描けて、達成感がありました。

調子に乗って、同じく『十三機兵防衛圏』の女性的な美少年・沖野司くんも描きました。

沖野くん

これらの作業を通して、課題も見つけました。
美術解剖学や構図の勉強をしたい。
モデルデッサンやクロッキーもしたい。
また、やっぱりまだまだ絵を描くにはおぼつかないところがあるので、模写は当面続けてようと思いました。

もう一度、続けよう

見ていただいてわかる通り、私の絵は上手ではありません。
でも、作業を通し、私にとって、やはり絵を描くことは喜びだと気付かされました。

奈津乃ちゃんの絵を描いた後、不思議な夢を見ました。
夢の中で私は母校の高校にいて、先輩に声をかけられました。
「上川、美術の**先生が呼んでいたよ。道具をアトリエに置きっぱなしだって怒っていたよ」
慌てて美術職員室へ行くと、**先生は笑顔で私を待っていました。
「あぁ、上川、待っていたよ。ずっとこれ置きっぱなしだっただろ、使わなきゃダメじゃないか」
先生は、そう言って、デッサンと水彩の道具一式を、私に手渡しました。
そこで、目を覚ましました。

もしかしたら、ずっと絵を描いていなかった私に対する、私からのメッセージだったのかもしれません。
「描きなよ。なんで今まで描いていなかったの?」
そう、夢を通して言われた気がしました。

今度は、もう手離さないで続けよう。
そう、リハビリを通して決意しました。


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