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忘れられないどころか、現役【#忘れられない一本】

私はシャープペンを変えられない女だ。
中学校時代から20年ほど、ずっと一途に同じシャープペンを使っている。
本音をいうと、生涯添い遂げたいとすら思っている。

*     *     *

ぺんてるシャープペン研究部・山田氏のドットイー・ティント愛が炸裂したnoteを拝読した。

あった! サイドノック式、懐かしい!!
ところどころ出てくる、山田さんの青春時代に流行したシャープペンの商品名も懐かしい!

記事を読んで、私にとって忘れられない一本なんてあったかな、と思い巡らせたら、
「今使っているシャープペン、20年近く使ってる」
という事実にぶち当たったので、現役シャープペンでも語ってもよろしいでしょうか、シャープペン研究部の皆様。

相棒は、友達が突然くれた一本

私が学校でもシャープペンを使えるようになったのは、中学生からだ。

当時は振ると芯が出てくる『フレフレ機構』のシャープペンが流行っていて、授業中、あちこちからシャカシャカシャカ……という音が聞こえた。

中学入学当初、私が使っていたのは普通のノック式シャープペン。
ところが、4月下旬のある日、同じクラスの友達が突然、
「裕喜! これあげる!!」
と、フレフレ機構のシャープペンを私にくれた。
それが、今も使っているシャープペンだ。

ちなみに、なぜ友達が突然私にくれたのかは謎だ
唐突すぎて、隣の席の男子も驚いた顔をしていたのは覚えている。
ともあれ、私は長年のお付き合いとなる相棒を手にした。それも無料で。

メーカー名も商品名も今や不明。
プリントはとうの昔に削れて見えないし、かろうじて『2020』という刻印があるのがわかる。
なんだろう2020。今年?

※ここなっつさんよりコメントで、パイロット製スーパーグリップ(フレフレモデル)では、とご指摘いただきました。

ほかのシャープペンだとしっくり来ない

高校受験はもちろん、大学受験も、その後の社会人生活でも、私はずっとこのシャープペンと一緒に過ごしてきた。
病める時も健やかなる時も、勉強する時も絵を描く時も、このシャープペンを使ってきた。

学生の時期に買い換えなかったのは、単純に壊れなかったからだ。
私は筆圧が強いが、このシャープペンは耐えてくれた。
軽量で、書いていて手が疲れないのも気に入っている。

そして、このシャープペンを使い続けた結果、手に馴染みすぎてしまった。
何かの拍子でほかのシャープペンを使ったこともあったが、ほかのペンだとしっくりせず、書き心地にイライラすることが多かったのだ。
結果、私はこのシャープペン以外使えなくなっていた。

大学の学芸員課程で「大切なものについて論じよ」という課題が出されたときも、迷わずこのシャープペンを題材にレポートを書いた。
「私はこれじゃないと、文字も絵も描けないんだ!!」ということを力説した。
出題した講師は呆れていた(それでもS評価くれたけれど)。

就職して受験した国家資格の試験では、記述式のテストでこのシャープペンを使った。
A4のレポート用紙20枚ぐらいの文章をごりごり書いて、資格を取得した。

壊れても現役

ところでこのシャープペン、機構は無事かというと全くそんなことはなく、実はもう壊れている。
が、今も普通に使っているし、普段は故障しているという認識すらない。

大学2年頃から、ペンを振っても芯が出てこなくなった。
社会人になってからは、通常の手順での芯の補充ができなくなった
ノックボタンの穴から芯タンクへ芯を入れても、先端部に芯が送られない。

それでも、筆記と芯の補充は、今も可能なのだ。
フレフレ機構は使えなくなっても、ノックボタンでも芯が出てくる。
芯の補充も、ノックボタンを押しつつ、先端部のガイドパイプから芯を入れればいい。

私にとってはこれらの故障は些少なものだ。
シャープペンは今も主にお絵描きで使っているし、今日はファミマの『黒みつしみうま生どら焼き』の下絵を描いていた(※画像の右端の絵)。

ずっと使っていたい相棒

山田氏のnoteを読んで初めて、「誰もが使う道具だからこそ、みんなに思い入れがあるのがシャープペン」ということに気づかされた。
そして、山田氏のドットイー・ティントを2回買い換えたくだりを読んで、初めてシャープペンが「壊れる」という事実を認識した。

いずれ、このシャープペンが使えなくなる日がくるかもしれない。
でも、これからもずっと使っていたいのが本音。
私が12歳の頃から、描いている絵や文字の変わり方とかを見てきて、一人で頑張らなきゃいけない試験の時すら、一緒にいてくれた。

だから、私の一生の間、現役でいてね。

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