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部分胞状奇胎という赤ちゃん


忘れられないクリスマスがある。
12月24日の夜、ひとり病室でケーキを食べたあの時の光景は忘れない。。。


久しぶりにまじまじと
母子手帳を読んでみた。
無事に産まれていれば、我が子も今26歳かぁ。。。。

もちろんこの世で会うことは叶わなかったけどね。
母子手帳の最後のページに「病理組織検査依頼伝票」が挟まってた。

感熱紙だから
インクが消えてる。
ボールペンで筆跡をなぞってみた。

そっか。。。材料かぁ。壊死かぁ。
一部の絨毛が変性しているのか。
「部分胞状奇胎」という診断名がついた。

胞状奇胎とは。
妊娠した際に胎盤をつくる絨毛細胞が異常に増殖してブドウ状に子宮内に充満する病気。原因としては遺伝子の結合ミスで起こり、500人に1人の割合で誰にでも発症するらしい。絨毛細胞が潜り込んでしまうと、絨毛癌になる可能性もあり、掻爬手術を複数回施行して完全に絨毛を取り除かなければいけない。

癌の可能性…
そっか…
取り除かないとな…

私はあのクリスマス
手術の日は忘れられない。

結局、二回手術した。
その後、半年間の通院。
これで赤ちゃんの「材料」は、完全に体内から除去された。

しかし
心の傷は痛みを伴い
体に深く刻みこまれた。


奇跡という言葉に
何回も泣いた。


魂に肉体を与えられる「奇跡」✨
触れ合える「奇跡」✨
言葉を交わせる「奇跡」✨

🐢


私のお腹の中で溶けた
私の最初で最後の赤ちゃん。
これも「永遠の奇跡」✨
心の傷はヒトを強くする。
大切にこの「傷」を持ち続けよう。

リアルに会えなくとも
いつでも会えるから。

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