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ラオス旅行記 #3:ルアンパバーンへ

2022年に訪問したラオスの旅行記です。写真多め。


首都ビエンチャンからルアンパバーンへは、飛行機で45分程かかる。恐らく2度目ましてのプロペラ機は想像よりも揺れず、むしろ快適であった。

窓の外をみると、ラオスの山々の影が連なっていた。少しずつ濃度の違う青色が重なり、絵画のような美しさだった。
普段飛行機では通路側に座りがちなので、こんなに外の景色で心動かされたのは久しぶりかもしれない。空気遠近法なんて言葉を思い出したりしながら、しばらくぼうっと山々を眺め続けた。

ふと、ルアンパバーン行きのチケットの表記が「MR(男性)」になっていることに気がついた。登場時にパスポートとあわせて確認された気がするが、何も言われなかったな。やはりラオスはゆるい。

日本を経ってから丸2日の長い長いトランジットを経て、ようやく目的地であるルアンパバーンへ到着した。ここから4日間をルアンパバーンで過ごす予定だ。
ひとまずは乗り合いタクシーに乗り、ホテルに向かった。

宿泊したのはIndigo House Hotel。今回の旅行はのんびりすることが目的だったためか、なんとなく「バルコニーでのんびりできるところ」を自然と探していた。
ここはメインストリートの目の前にあり、バルコニーから街の様子を眺めることができそうという理由で決めた。

少々古い部分はありつつも、快適そうだ。しかし、お風呂がドア無しオープンなのは2人以上で泊まる時にハードルが高そうだ。海外のホテルは時折意味がわからない。

早速観光にでも行きたいところだったが、最初のミッションとして洗濯する必要があった。Google Mapで近場のランドリーサービスを探し、徒歩で向かう。

もう10月も終わる頃だったが、ルアンパバーンの気温は30度を超えていた。当たり前だが暑い。かつ、ハノイと比べると高い建物が無いため日陰が少なく、少し歩くだけでもジリジリと太陽に焼かれるようだった。

適当に見つけたランドリーサービスのお店は、訪問すると小学生か中学生くらいにしか見えない子どもが対応してくれた。大人の姿は見当たらない。お手伝いなの? 明日の受取ということで、洗濯物を預けた。

ホテルに戻る途中に寺院と出会した。ワット・マハータートという所らしい。敷地は広いが全く人とすれ違うことがなく、とても静かな場所だった。

壁面に描かれているのは天国だろうか。古くも見えるし、新しくも見える。

見上げると、天井にも見事な模様が描かれていた。日本の蝶の家紋のような模様もあれば、龍や鳳凰のような模様もある。ここだけ見たらラオスとは分からないかもしれない。

ホテル近くにあったミニマートでビアラオを仕入れ、一度ホテルに戻った。日差しはとにかく強いが、バルコニーでのんびりするという今回の目的は叶いそうだ。少し休んだところで、昼食を探しに再び外に出ることにした。

ルアンパバーンの歴史は古く、元々は14世紀にランサーン王国の首都として栄えた土地である。その後、19世紀にはタイとフランス間の争いにより、ルアンパバーンはフランスの保護国となる。
いまのルアンパバーンの風景は、元々この地にある古き仏教寺院たちと、フランス植民地時代につくられたコロニアル様式の建築物から成るものなのだ。

それを象徴するように、メインストリートには白壁のコロニアル様式の建物が複数建ち並んでいた。強い陽の光と、白壁の強さがまぶしい。

暑さのためか、メインストリートの人はまばらだった。観光客も少なく、住民すら通りではあまり見かけない。皆日陰で休んでいるのだろう。

どこかで見た情報を頼りに、昼食はNang Taoという店を訪れた。
悲しいかな、私はパクチーが苦手なため東南アジアの料理とはとても相性が悪いのだが、ラオス名物の「カオソーイ」は食べられそうな気がしていたのだ。

これがカオソーイ。
タイにも同じ名前の麺料理があるが、面白いことにラオスとタイでは見た目も中身も異なる。
ラオス版のカオソーイは「肉味噌きしめん」的な食べもので、野菜は別盛りなのでパクチー抜きの調整もしやすい。
見た目よりは辛くなく、ライムを絞り入れたり、ミントをもりもり入れて食べるとかなり美味しかった。170円くらい。

念願のカオソーイデビューを果たし、再び歩き出す。
長時間歩くには暑すぎるため、散歩しつつ休める場所へ向かった。

続いて訪れたのは、川沿いにあるViewpoint Cafe。やはり日中は暑さを避けるためカフェに人が集うのだろう。ようやく他の観光客を複数見かけた。

雄大なメコン川を目の前に、ビアラオをいただく。当たり前のように氷が入っているが、これが良い。ビアラオは通常のビール程度の度数はあるのだが(5%)、とにかく水のように軽く飲みやすく、文字通り水代わりのごとく飲んでいた。
ビールは元々飲める方だが、どうもこの味が暑い気候にぴったりすぎるのだ。ラオスで飲むからこそ、より美味しく感じるのかもしれない。

しばらくの間、メコン川を眺めながら過ごす。
周りの話し声はあれど、基本的には静かな空間だった。メコン川は終始穏やかで、何かが起こるわけでもなく、見ていると眠気を誘う。
数日前までパソコンの前でバタバタしていた日が遠くに感じる。

ところで、ルアンパバーンは仏教地域である。
町の片隅には少しユーモラスな狛犬もあるし、とにかく寺院の数が多い。今回振り返りの記録を書くにあたり、どの写真がどの寺院か調べ直す程にはあちこちに自然と寺院が存在する場所だった。

カフェの後にも寺院を見かけて立ち寄った。
ここはワット・セーンスッカラム(Wat Sensoukharam)。外のお堂の中には直立タイプの仏様がいる。

ここはワット・マイ(Wat Mai)。
日本人として仏像は見慣れているものの、その数や配置は目新しく、新鮮さを感じる。

臙脂色の壁に、金で描かれた模様たち。

壁には立体の細工も。

仏像の裏まで見て回れる。裏にもまた一人、横にも複数。とにかく数が多い。

寺院も堪能したところで、再びホテルに戻ることにした。

人気のないルアンパバーンの道は、淋しいような、はじめて見るのにどこか懐かしいような風景だった。人はいないが危険さもあまり感じない。とても好きな空気だ。暑ささえなければ。

日陰を選びつつ、ホテルに戻る。あと数時間もすれば、ナイトマーケットが始まるだろう。

つづく


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