#選択の代償 第26話

おはようございます、#選択の代償、私、亀川がお送りしております。
前回まででは、『光物』『青物』の話でしたでしょうか?ある企業投資部門の方の言葉で、新会社にはすでに色がついている状況です。当時訪問してIR的なプレゼンをしたのは、恐らく40社以上だったと思います。大小さまざまな金融機関があったと記憶しております。
それぞれの金融機関の立ち位置というか、方針というか、結構はっきりしてました。その中で幾つか記憶を思い起こしてみましょう。某大手外資系のファンドの場合、(そもそもファンドとは、辞書には「基金・資金」と書かれていますが、金融業界では一般に「投資のために集めた資金」や「運用を目的とする一定規模以上の資金」を意味します。)規模が大きくて一企業への投資では全く相手にされません。業界や不動産(建物と街)などや、医療技術の特許など大規模かつリターンが確実に見込めるものが優先されるようです。ちなみに、この投資先の仕分けの事をポートフォリオと呼ばれています。つまり、当時、私のこの会社は、インターネット業界というポートフォリオに置かれていたと思います。よって、それぞれの1法人の規模が小さいのです。当時、プレゼンした後に、一言言われたのが『100憶円規模の投資で、どれくらいのリターンが見込めるか?』という案件でなければ、検討対象になりにくいという話を聞きました。つまりこれを『ロットが小さい』と言われるわけです。当時、資金調達の目標金額はが5億円くらいでしたので、当然の事だと思います。

一方では、公的機関との連携がない企業は視野に入れていないとか、有形(ものづくり系)か、サービス業を対象としているとかがあります。
そして、金融機関的なのか日本的なのか、役員構成や、代表取締役の資本割合など見られるのですが、『親族がなぜ入っていない?』とか、様々な視点から質問攻めにあうことしばしばです。
1社1社打ち合わせを終えると、精魂尽き果てる事といったらなかったですね。また、ホントに検討してくれるのかどうか?この投資に興味があるのかどうか?全くその感触もつかめず、ひたすらそれぞれを回っていたことは確かです。
その中で、金融機関の慣習というか、当時、大変憤慨することがありました。プレゼンで訪問した際に紙の資料を置いてくるのですが、たちまちに綴じてある製本をバラシて、情報交換している他の金融機関へFAXにて回覧されTましたね。基本的にNDA(機密保持契約)を交わしてもお構いなしって感じです。それは、今でも変わってないかもしれません。

例えば『なぜ、何の接点もないのにこのメールが飛んでくる?』というのはほぼほぼ、金融・保険商品が特に多い方いませんか?その次に不動産投資等々・・・これって、恐らく最近の『個人情報XXX』などと色々言ってますが、正直、金融機関ほど個人情報を二次、三次利用している可能性が高いと個人的には思います。
さて、こんな中『投資のお願い』という資金調達をしていたのですが、段々、お金の事を考えるのに嫌気がさしてきます。『もうこれ以上、この会社の・・・』と話をしたくないほどに滅入っていた時に、金融機関の中の知人で紹介された方がいました。里中さんという方で、基本、フリーで仕事しているとの事でしたが、里中氏が調達先の紹介をする代わりに、成功報酬5%の条件でヘルプしてくれるとの事でしたので、依頼しました。当然、プレゼン等は自らですが、その前後の根回し等、今にして思うと一番良心的な方だったと思います。結果、里中氏は金融機関系(三井中央アセットマネジメント)からの3,000万円の調達を成約させてくれました。その後、これが呼び水となって、幾つかの間接金融系の投資が決まり始めました。第一期の第三者割当増資においては、個人投資家のエンジェルを含め、約1億円弱の資金を集めました。それは、暑い夏の真っ盛り7月下旬でした。
これで一息と思いきや、更なる圧力がかかります。

それは、先の大阪の親会社の資金繰りが厳しい状況となっていった結果、こちら側の銀行口座さえも、勝手に出し入れされ始めたのです。最初の段階では、数百万円程度だったと思いますが、そのうち、1,000万円単位で頻繁に出し入れされるのです。月末月初の資金繰りで、1週間後に戻ってきたり、3日後に送金したり・・・尋常ではなかったです。そのうち、自社そのものの資金繰りが厳しくなり始めます。
一方では、先の中古車査定システムの提案を具体化していく仕事が進行しています。しかし、そこで完全に浮いた4人の営業担当がいました。それが、親会社から来たメンバーです。彼らは、毎日朝から夕方まで『昭和の営業』スタイル(1軒1軒回る、どぶ板営業です)で懸命に頑張っていたのですが・・・賢明さがないとなかなか、この無形の商材は大変売りにくいものです。第一期の資金調達が決まったころには、少しずつ紹介案件も出てきました。そして、当時2社目の大型案件が舞い込んできました。
この続きは、また次回、お聞き逃しなく!

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