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1日20分の昼寝が生み出す効果

日本人は勤勉な人が多く、長時間労働を行う人が多いですね。最近の「働き方改革」でかなり労働時間も短縮されていますが、労働時間外で仕事をしている人も多いのではないかと思います。

今回取り上げるのは、その労働に対する集中力や疲労を残さないための「昼寝」について書いていきます。別名「パワーナップ」とも言われています。

海外企業ではNikeやGoogle、Uberといった大手企業も昼寝を推奨しており、その流れが日系企業にも及んでいます。

歴史上の人物だと、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは、かつて「仮眠ができないような会社には来たくない」という言葉を残し、発明王のトーマス・エジソンも、夜の睡眠こそ1日4時間程度だったものの、その代わりに昼寝を1~2回とっていたそうです。

1. 昼寝の効果をいち早く実証したのは「NASA」

パワーナップの科学的効果を実証したのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)。

1995年頃からNASA Napsという睡眠研究を行っております。具体的には、航空機のパイロットを「パワーナップをとる人、とらない人」の2組に分け、その後の認知力や注意力を計りました。その実証実験では昼に26分間の仮眠で、認知能力が34%、注意力は54%も向上しました。

2. 昼寝で見込まれる効果

・集中力が上がる
体内時計は昼と夜で2分化されています。そして、昼過ぎ〜15時というのはちょうど身体が切り替わるタイミングかつ、昼食で食べたものを消化するために血液が腸に集まるため、脳が酸欠状態を起こし、眠気に襲われます。昼寝を取ることによって脳を休めることができ、その後の集中することができます。

・生活習慣病予防
睡眠不足だと「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌され、うつ病、不眠症などの精神疾患、生活習慣病などのストレス関連疾患の一因となることがわかっています。昼寝をすることで脳が休まり、血圧も下がります。
また、2007年にギリシャ・アテネ大学のデミトリオス・トリホプロス博士が、昼寝と心臓病発症との関係性について調査を行っいました。ギリシャの成人を対象としたこの調査で、週に3回以上、30分間の昼寝をすると、心臓病によって病死するリスクが37%低下することがわかりました。

3. 効果的な昼寝の方法

・寝る前にカフェイン摂取
・横になって寝る(デスクに伏せた状態でも可)
・30分以内の睡眠にとどめる
・15時までに昼寝する

睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠という区分けがあります。それは90分周期で入れ替わります。そして、入眠〜30分以内が一番深い睡眠が取れると言われ、30分を超える睡眠だと、レム睡眠という深い睡眠状態に陥り、脳が覚醒しにくくなっていしまいます。この昼寝は、入眠〜30分以内のノンレム睡眠の範囲内で止める睡眠です。寝る前にコーヒーを飲むのは、カフェインの効果が出始めるのが、大体30分と言われており、すっきりと目覚めることができるからです。15時以降は身体が夜の睡眠に向けて活動を始めます。なので、そのタイミングで昼寝をしてしまうと、夜の睡眠の質が下がってしまいます。短時間で効果的な睡眠をとり、1日なるべく集中できる状態を作れると、仕事の生産性も上がっていくのではないかと思います。


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