香港からの移住についての検討

行政書士の、亀井宏紀(かめいひろき)です。

ニュースなどで、香港のことが話題となっています。香港での言論の自由がなくなるのですから、本格的に香港から他の国へ移住する動きが加速すると思われます。
1997年の香港返還の時と同様に、まずは、富裕層から外国への移住が始まることは予想されます。

自民党の政治家が、積極的に香港の方を受け入れるべきだとの、政策提言をしているようですが、「香港人受入れ特別法」のような法律ができない限りは、現行の法律である、出入国管理及び難民認定法で定められた在留資格で、判断することになります。

ニュースでは、「移住」というキーワードが出てきますが、日本の在留管理には、移住という概念がありません。
日本は、移民政策をとっていませんので、当然です。

もっとも、日本の在留資格の範囲でも、将来的に移住と同等のものである、「永住者」という在留資格かあります。
「永住者」は、他の在留資格を取得した上での申請になりますから、将来的に永住者となれる、その前提の在留資格を見てみたいと思います。

香港から、真っ先に移住を検討しているのは、香港の富裕層の方々でしょう。香港での言論の自由がなくなり、自由な経済活動にも影響を与えるでしょうから。富裕層の方で、ビジネスを行っている、もしくはその経験があるような場合は、「経営・管理」「高度専門職(経営者)」の在留資格が有益です。

他国では、高額なお金を払えば、その国の永住資格をもらえるということもあるようですが、日本では、お金で永住権は買えません。

となると、富裕層でビジネスの経験があるような場合は、日本でのビジネスを行うことができる在留資格「経営・管理」を取得するのが、現実的であるといえます。

もっとも、この「経営・管理」という在留資格は、日本に、日本人もしくは、永住者等の協力者がいないと、手続きが複雑なため、現実的に取得が難しい在留資格です。

日本にそのような知り合いがいればいいですが、まったくいないような場合は、取得が難しいので、せっかく富裕層が日本に来たいと思っても来れないということになります。

もっとも、香港の方は、日本に短期間来る場合に、査証(ビザ)がなくてもくることができますので、申請する本人、または関係者の方が日本に来て、経営・管理の在留資格を取得するための、下準備はすることができます。

次回は、経営・管理のビザについて、掘り下げてみたいと思います。


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