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映画図案士という仕事と檜垣紀六の本

ひょんなことから、
『映画図案士 檜垣紀六 洋画デザインの軌跡』
というタイトルの本の存在を知った。
映画図案士って何だ?檜垣紀六って誰だ?
本は非常に高価だ。
書籍のタイトルを検索すると、もう終了したクラウドファウンディングのサイトが候補に挙がる。
できれば、そちらのサイトを覗いてほしい。
本の内容の一部が垣間見れる。

映画『ランボー』のポスターの話しは、笑ってしまう。
言われてみればれば、映画の中でS・スタローンが日本版のポスターのように銃を構えるシーンはない。それどころか、その後オフィシャルとして発売された出版物やDVDなどは別の絵柄ばかりだ。
でも、自分の中で記憶にあるのは確かにあの『ポスターのランボー』であり、言わば正調ランボーなのだ。
上記したサイトに日本版ランボーのポスターの画像があるので、見て欲しいのだが、画面中央には銃を構えたランボーの切り抜き、その下にカタカナのランボーのタイトル、その下には映画の場面が配置されている。その背景には、明らかにニューヨークの街並み、いわゆる摩天楼の夕景が広がっている。
はて?
ランボーの本編にニューヨークは登場しない。会話の中でニューヨークを連想される言葉さえ登場しない。原作の中にも、ニューヨークなど出ては来なかったような。
もし仮に、ランボーがニューヨークに行っていたら、ゴジラ上陸どころの騒ぎでは済まなかっただろう。
そうなのだ。背景の摩天楼は映画とは関係のない資料画像であり、それに夕景の空は熱海のプラベート写真出そうだ。それらを合成して夕暮れの摩天楼を作成したものなのだ。
もっと凄いは、スタローンが構えているとしか思えない銃は、檜垣自身がそれらしいモデルガンを購入して、自ら銃を構えて撮影した写真を切り抜き合成したと言う事実だ。あの腕は、スタローンのものではなく、日本人のおっさんのものなのだ。

映画会社や配給元からクレームはなかったのだろうか?
そんな疑問に応えてくれるのが、この本らしいのだが、ちょっと気になる。

今や映画言えば、映画館で観るものとも限らなくなって来たが、昭和の頃は首都圏以外のでは、ハリウッド映画を観れるのはアメリカ本国公開の1年後など当たり前、そんな時代だった。
地方で洋画が二番館、三番館で上映されるためには、東京でのロードショウでの観客動員数がものを言った。なので、その数を左右するポスターは何でもありだったらしい。

檜垣が制作した『メガフォース』のポスターの話は、もっと酷く(誉めている)て、さらに笑ってしまう。

まぁ、高額過ぎて自分では購入できそうにないのだが。

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