【追い切りチェック・金鯱賞】
GⅠ馬から上がり馬まで、多士済々のメンバー構成となりました。そんな中でも最大の注目馬は4連勝中のジャックドール。この馬の解説から始めたいと思います。
モーリス産駒らしい雄大な馬っぷりで、デビュー当初から〝いずれはオープン馬〟と感じさせる好素材でした。ただ、以前はパドックでテンションが上がるなど、精神面に課題が…。しかし、その点は随分と改善されてきたように感じます。ここ2戦のパドックの雰囲気、レースぶりを見る限り、心身ともに完成形に近付いてきたのでしょう。
もともと攻めは時計が出るタイプ。ただ、その点を考慮しても、最終追いは文句なしの合格点でした。CW併走でラスト1Fは一杯に追われ、6F80秒8-1F11秒3の好時計。前走はラスト1Fが10秒9でしたから、インパクトでは確かに見劣ります。ただ、当時は道中をゆったり運んでいた分、最後まで余力があっただけ。実際、全体時計の6Fは前走が83秒0だったのに対し、今回は80秒8ですから、2秒2も速くなっています。心配には及びません。
近3走で逃げる競馬を続けているので、控えた時に対応できるかどうかが最大のポイントです。大トビで本質的には持久力タイプなので、内で包まれて仕掛け遅れる形は避けたいところ。そこさえクリアできれば、5連勝での重賞初制覇も期待できます。
このようにジャックドールもいいのですが、イチオシにはサンレイポケットを挙げます。休み明けの前走時も悪くありませんでしたが、陣営のコメント通り、一度使われてグンと上向き。坂路最終追いのラスト1F11秒9は自己ベストでしたし、見た目もグッド。明け7歳ですが、休みが長かった分、今がピークの印象すらあります。
伏兵陣ではシャドウディーヴァに要注意です。坂路で4F53秒3-1F12秒4ですから、時計は特筆するものではありません。しかし、ゴール前で軽く伸ばした時のフットワークは目を引くものがありました。この馬は昨秋のジャパンCが過去最高の出来だったとみていますが、当時に近い雰囲気。左回り巧者でもありますし、馬券圏内に食い込む可能性は十分にあるでしょう。
イチオシ…サンレイポケット
※トップ画像は96年の金鯱賞を制したフジヤマケンザン