組んでみな 飛ぶぞ
前回の記事の通りのなりゆきでTarmac SL6 DISCをフレームセットで購入し、自分で組むことになったぼく。
今更個人のブログでディスクブレーキの組み方なんて紹介しても誰得なのかと思うが、自分用の覚書・感想文的な意味でしんどみがふかいポイントだけちょっと書き残しておく。
今後自分で組もうという人に少しでも参考になれば幸いだ。
しんどみポイント
1.まず工具持ってねえよ
完全に油断していたがリムブレーキの自転車を組むのに必要な工具にプラスして油圧ディスクを組むのに必要な工具が結構あった。
ミネラルオイル
ホースカッター
じょうご、注射器的なやつ
7mmスパナ
8mmスパナ
プラハンマー(100均)
C型クランプ(100均)
ブリーディングする時にブレーキパッドの代わりに挟んでおく黄色いやつ
ホースがっちり挟むための黄色いやつ
ミネラルオイルは基本STIに付属するので追加は基本不要。
有難い事にホースカッターやじょうごはおちん○んのかずさんから譲ってもらえたので揃えられた。
(というかホースカッターとかも必要な事に譲ってもらった時に知る)
ホースカッターはリムブレーキの時に使ってたケーブルカッターとは全然違って、柔らかめのホースをスパッと綺麗に切ることが出来る。普通のカッターでも良いみたいだけど切り口が汚いと良くなさそうな気がするので有った方が絶対いいと思う。
スパナは組みながら必要な事に気付いて絶望したやつ。
7mmと8mm両方要る。
ブレーキキャリパーにホースを繋ぐところ、STIにホースを繋ぐところにそれぞれ必要になる。
あと、ホース挟む黄色いやつとクランプ、ハンマーはホースの先に金具をぶっこむときに必要になる。
ちなみにホースカッターと金具を打ち込む工具の役目を果たす工具がシマノから出ているが、馬鹿高いので買わなくていいと思う。
黄色いのとクランプとプラハンマー揃えれば約600円で済ませられる。
以上をリムブレーキで使う工具に追加して揃えておけば組める。
2.ブリーディング(エア抜き)
よく見るあの工程である。
知らない人用に簡単に説明しておくと、ブリーディングの前にキャリパーとホースとSTIを接続してからキャリパー側からミネラルオイルを満たす。
STI側にはカラッポのじょうごをつけておいて、STIからミネラルオイルを溢れさせてじょうごの半分くらいまで満たす。
ここから面倒なエア抜きが始まるのだが、ミネラルオイルを注入するときにうまくやると100倍エア抜きの手間が省ける事に2回目のリアをやったときに気付いたとのでメモる。
逆に1回目のフロントではこの時にわずかに空気を混入させてしまって、リアよりもホースは直線に近く短いにも関わらずめちゃめちゃエア抜きに時間がかかった。
上記の通りオイルを満たしてようやくエア抜きが始まる。
基本レバーを何度も握ってホース内のエアをSTIにつけたじょうごから排出する作業だが、バイクを前後左右に傾けてホース内のエアがなるべく登っていくように作業をする。
この作業をする時、バイクの角度を自由に変えられるメンテナンススタンドがあると捗ると思う。
これがないとどうなるかというと、右手はトップチューブを握ってあちこちにバイクを傾けて、左手はSTIを握ってシコシコ作業する事になるので、絵面的には部屋で1人"弾いてみた"をやってるギタリスト風になるので虚しさで心が少ししんどくなる。
また、このエア抜きでも注意ポイントがあったのでメモ。
シマノのマニュアルには書いてない作業をだが、GCNの動画で紹介されてて真似してみたらマジだったのでやるべきだと思う。
良動画だと思うので参考にしていいと思う。
リンクを貼っておきます。
最後に、作業が終わったらじょうごをとりはずすのだが、
さもなくばこのようになるゾ
以上の注意点を気にしていれば問題なくブリーディングを完了出来る。
レバーを握ってもしっかりパツパツに張ってて、実走してもブレーキしっかり効いたので安心した。
3.ローターとのクリアランス調整
ディスクブレーキ最後の調整項目。
ちゃんと調整しないとカリカリ擦る異音が鳴ることになるので重要ポイントだ。
組んでみて知ったんだが、クリアランスの調整ってキャリパーの固定位置で調整するしかないんですね。
てっきりリムブレーキのようにイモネジみたいなのをくるくる回せば左右にずれるのかと思ってたよ。
シマノのマニュアルによると、
という指示になっている。
実際にやってみると、たしかにこれでうまくいった。
けど不親切。
最初は失敗した。
気にするポイントは下記。
上記のポイントを抑えて締めるとあっけなくうまくいった。
そうしないで片方を締め付けてもう片方を、なんて風にやると1本目を締め付けた時にキャリパー本体が回ってしまってせっかくレバーを握って合わせた位置がズレる。結果、ローターが擦るようになる。
変速系を組んで完成
ブレーキが組み終わればあとはリムブレーキの時と同じ。
Di2なのでFDとRDをポンポンつけて予め配線しておいたエレクトリックケーブルと繋げる。
この時新品でもハンガーの曲がりがないか確認する。
以下自分用のメモ。
RDは移植なのでスプロケの位置がズレる。だからハイ側ロー側のボルトは一旦緩めてからつけて調整し直すこと。
それを忘れて調整しようとしてなんか上手くいかなかった。アホ。
あとチェーンのテンション調整ボルト、何故か限界まで緩めてもガイドプーリーとスプロケが接触するとこまで近付かなかった。
けどそこまで緩める必要はなくて、結局インナーハイにしてチェーンのたるみを取るときに張り直す。
張りが緩いほど変速は良いんじゃないのかと思ってたが、インナーハイでたるみをとるくらいには張ってた方がスパスパ変速が決まる。覚えておこう。アホ。
そんな感じで無駄に少し手こずったが無事完成。
構成は下記
フレーム:S-WORKS TARMAC SL6 DISC
ホイール:ONEAER DX5
タイヤ:Yksion pro ust 2
STI:8070
BC:8070
RT:MT800
FD:9150
RD:9150
CS:8000
CN:HG901
PD:9100
クランク:QUARQ DZERO
ハンドル:ZIPP SL88 400mm
ステム:ZIPP SERVICE COURCE SL 110mm
サドル:PRO STEALTH CARBON
ボトルケージ:てきとうなカーボン
重量は手持ちのポンコツスケールでなるべく誤差を小さく出来るよう以下のように測定した。
フロントホイールのかたまり(アクスル込み):1170g
リアホイールのかたまり(アクスル込み):1490g
車体のかたまり(アクセサリ類抜き):4810g
計7470g
という仕上がりになった。
多分リムブレーキのノアと同等かそれより軽いくらいか。
一応ノアはエアロフレームでターマックはオールラウンドなので、それを考慮するとやはりディスクは重いのかという感じだが自分的には全然許容範囲で満足。
ONEAERがリムハイト48.1mmある割にカタログ重量1370gと優秀なのでそれも効いてるかもしれない。
(リムテープ込み実測1400gだった)
あとはSTIやスプロケ、ハンドル、サドル、サイコンマウントに軽量化の余地があるが、そこまで軽量化をやり込む気は今のところない。
むしろハンドルに関しては剛性へのこだわりでアルミシャローを使ってるのでなおさら。
補足すれば、SL6はレバーなしの軽いアクスルとレバー付きの普通のアクスルが付属するが、今回普通のアクスルで計測しているので、アクスルを軽量な方にすれば前後で115g→67gと48g軽量化の余地がある。
不便になるのでやらんけど。
まとめ「自分で組む事の意味」
長くなってしまったが、この辺でまとめたい。
結局、ディスクブレーキは自分で組むべきなのかそうでないのかというところ。
僕は"一通り組んでみて良かった"とは思った。
けどガサツな人が組んで事故に繋がったりしても責任は取れないので"組むべき"とは言わないでおく。
なぜ組んで良かったと思ったかというと、
個人的にはこれに尽きる。
構造が理解できると何かトラブルが起きた時に自分で原因を考えて対処出来る可能性が高くなる。
トラブルが起きたら店に投げればいい。
それももちろん良いと思う。
しかし、例えばレースの前夜、"メンテナンスしてたらいつの間にかブレーキにエアが入ってる事に気付いた"というような不具合が起きてしまったらどうする?
店が閉店していたら修理が間に合わずレースに出られないなんて事になりかねない。
しかし自分で組んだ経験があればエア抜きを改めて実施するか、最悪イチからやり直せば良いだけ。
これは一例だがパッドのクリアランス調整など、他の様々なシチュエーションにも言えるだろう。
いざというとき"即お手上げ"になるか、"多分自分で直せる"というのでは雲泥の差。
要するに僕が言いたいのは、自分で触れない得体の知れない物体を所有するよりも自分でイジれる物体を所有する方が大事なレースの前などに心に余裕をもたらす。
心に余裕が出来る事で表情が穏やかになり、女性にもモテる。
そして彼女が出来、結婚し、会社でも出世し、給料は上がり、子供も産まれ、幸せな家庭を築く事が出来る。
ディスクブレーキを組むということは人生で勝ち組になるということである。
仕事が上手くいかない、なかなか彼女が出来ない、など悩みを抱えている諸君はチャレンジしてみてはいかがだろうか。
ほな。(はなほじ)
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