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『漣の果てに。』が紙で読めるようになりました

noteで連載していて好評だった『漣の果てに。』がAmazonペーパーバックで読めるようになりました。(ペーパーバックはソフトカバーの単行本です。表紙の肌触りがいいです)

『漣の果てに。』について

本作は闘病中だった父に向けて書いた小説です。聡明で博識でクソ真面目で仕事人間。不器用で部下思いでグウタラ亭主で金の使い方が下手で、でも静かに優しかった父親。

膵臓癌がステージⅣで発見され、悩み、苦しんでいる父親に対して、親譲りの無鉄砲仕事馬鹿な息子は、何もしてあげることが出来ませんでした。

思索だけが取り柄の息子として、幼少期からの父親とのエピソードに思いを馳せているうちに、「書きたい」という思いが湧き上がってきて執筆したのが、この小説です。

なぜ、生きるのか。「終わり」とは何か。
愚直すぎるテーマですが、そんなことを問い続けながら書き上げた作品です。

一部自伝的ではありますが、大いにフィクションです。

noteでの連載を終えてからほぼ二年。
kindle出版をしてから一年半。
ありがたいことに紙でも読んでみたい、という声をたくさんいただいたので、Amazonからペーパーバックで出版します。

読み返してみるとまだまだ直したいところがあり、結構修正をかけました。きっとこの先も完成することはない小説なのかな、と思いつつも現時点での完成形として出版いたします。

連載をご覧いただいた方も、一冊の書籍としてもう一度お楽しみいただけるものに仕上がったのではないかと思います。

読んだ人の感想

連載中の感想を少しだけご紹介させていただきます。

おもしろい~!
次の展開が待ち遠しい!
読めない漢字が出てくる経験も楽しめますよ!
豊富な語彙と様々な作品へのオマージュに溢れた小気味良い文面は、まさに圧巻!
(中略)最後は感動して眠れなくなりました。おかげさまで寝不足です(笑)
私にとって、月曜日(注:毎週月曜日に更新していました)は…週のはじまりと同時に、小説の世界観に入り、懐かしい景色に想いを馳せ、あの場所に連れて行っていただける、そんな特別な日になっていました。

嬉しい感想をお寄せくださり、ありがとうございました。大変励みになりました。

表紙について

自画自賛するようですが、表紙絵は目を引く素敵な仕上がりですよね。

贅沢にも藍染アートで注目を集めている教え子、大小田万侑子さんに描いていただきました。大好きな葉山海岸での息子との写真がモチーフです。

この小説は父親へのエールではありましたが、執筆中だった2012年は長男が生まれたメモリアルな年でもあります。いつか息子に読んでもらう時が来た時に、「表紙の絵は君とパパだよ」と贈ってあげたい、というエゴです。

三パターンも描いてくれて、悩みに悩みましたが、ストーリーの内容や私自身の想い、そして大小田さんの画風としても新境地だと感じたものを採用させていただきました。タイトル配置のデザインはJumpstart桑畑健さんにご協力いただきました。

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処女作であり、渾身の作品でもある『漣の果てに。』は私にとって特別な一冊です。未だこの作品を超えるおはなしが書けません。その一冊を彩ってくれたお二方には特別な感謝を送ります。ありがとうございます。

価格とページ数について

ペーパーバックでは147ページの中編小説となりますので、気軽にお読みいただけるのではないでしょうか。

価格は1,100円。もう少し抑えたかったのですが、印刷費が嵩んでしまいました。すみません。

Amazonレビューのお願い

Amazonレビューをいただけると、すごくすごく喜びます。自分が書いた作品がどのように読まれているか、を知ることは励みにも糧にもなります。

もし、レビュー書いてやってもいいという方がいらっしゃったら、どんなに短くても、どんな内容でも、星が一つでも、受け止める覚悟は出来ていますので、是非よろしくお願いします。

おわりに

「書く」ことで心の中のモヤモヤに名前をつけていく、というのはかまくら国語塾のコンセプトですが、まさにそれを体現した小説でした。そうか、こういう想いを持っていたのか、こんな風に自分は父親を見ていたのか、というのが小説を描き続けることでたくさん発見できました。

やはり「書く」ことは楽しいし、すごく、いい。

「出版するよ」と言ったら即座に「買う、買う。絶対買う」と反応してくれた生徒のみんな、いつも支えてくれてパワーの源をくれる五人の家族、そして、あの世で「なかなかのもんだよ」と感想を言ってくれたに違いないお父さん、ありがとう。

記事を最後までお読みくださり、ありがとうございます。

みなさんから「スキ」や「フォロー」をいただけると、「書いてよかったな」「何かを伝えられたんだな」と励みになります。お読みいただき本当にありがとうございます。これからも良い記事や小説を執筆できるよう頑張ります。