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年の瀬――寒さと寂しさ
10代の頃は年末年始が怖かった。
普段行っている場所が全部閉まってしまう。
学校も、部活も、ファーストフード店も、図書館も、わたしの行っていた場所はどこもやっていない。
たかだか数日ぐらい、何とかなるでしょ。
それがなんとかならないんだ。
凍える寒さの中、家を出て、どこに行けばいいのか、街を彷徨う。
正月に流れる琴の音楽は、わたしにとっては不安と寂しさの音楽だった。
夜9時まで開いて
時代を生きる不甲斐ない自分
もうずっと何も出来ない。
毎日のニュースや世間の反応に気持ちが追いつかない。
食事をするのも起き上がるのもおっくうで、毎日何をしているのか覚えていない。
自分に直接関係のないことでなぜそこまで落ち込むのか。周りによくそう言われたけど、わたしはこういう人間なんだ。
大学院に行って勉強をして、研究者になるつもりだった。
実際入ってみるとそこは、とても特殊な世界で、力があるだけで職に就けるわけ
30代になっても大人にはなれていない。
30代になっても大人にはなれていない。
でも、30代が大人じゃないんだなってことはわかった。
*
かつて大人に見えていた年齢になっても、
自分が全然そこに届いていないように感じる。
よく言われることだけど、本当にそう。
わたしは何が変わっただろう。
何か成長できているのかな。
安易な助言ができなくなったくらいか。
ものごとはそんなに簡単じゃないってわかったから。
生きている実感――若者の場合
正しい評価制度って何か?
その人がどんな実力か?
今日一日で何をどれだけできたか?
そういうものすべてが可視化され、数値化されて、能力の倍率がかけられて給与が決まるのだとしたら。
それは、恐ろしいですね。
ただ、そっちの方がいいと思ってしまう自分がちょっとだけいるのも、若干の絶望ですが。
わたしは社会に出てから、自分が何の仕事をしているのかよくわからないし、
できることがあっても立場が違