ブランド牛生産者×経営者×嘉麻市のキーパーソン。品質への矜持と地域への思い【かまびと。#02赤崎牧場・赤崎和徳さん】
嘉麻市を代表する食材といえば、牛肉。中でも「赤崎牛」は、嘉麻市の返礼品でもトップを争うブランド牛です。赤身の肉肉しい味は世代を問わず人気で、リピーターも多数。
今回の「かまびと。」でご紹介するのは、赤崎牧場の牧場主である赤崎和徳さん。自分の名前をつけたブランド牛「赤崎牛」を生産しながら、嘉麻市内の焼肉店「とんちゃん横丁」と飯塚市内のレストラン「Le Lien」を経営しています。赤崎さんが「赤崎牛」に込めた生産者としてのプライドと、地域への思いを伺いました。この記事では、赤崎さんの人柄をお伝えするために、方言もそのまま使用しています。
1, 自分の名前をつけた「赤崎牛」。ブランド名は責任の証。
ー高級ブランド牛といえば霜降り肉のイメージがありますが、あえて赤身肉にしたのはなぜですか?
赤身肉やったらたくさん食べれるやん(笑)脂身が多いと、どうしても胃もたれするやろ。やっぱり肉を食べるなら「肉を食った!!」って満足感を感じてほしい。だから、どんな人もたくさん食べられる肉を作ろうと思って。
ー「赤崎牛」の味はどのようにつくっているのでしょうか?
うちの牛は、和牛とホルスタインを掛け合わせていて、もともとサシが少ない品種。そして、もちろん食べさせるエサによって牛の味は変わる。うちは和牛にやるのと同じ配合でエサを与えているんやけど、バランスを考えて配合した穀物をエサに混ぜて、脂身が少ない肉質になるようにしてる。
ー「赤崎牛」というご自分のブランドを持ったのはなぜですか?
畜産ブランドって、結局はいくつかの牧場の寄せ集めなんよ。何件かの牧場が出している牛を「〇〇牛」として出している。そうすると、同じブランドでも品質がバラバラになるし、何よりその品質に対する責任があいまいになる。
僕がつくった牛を僕の名前で出しているのは、自分が作った牛の品質に対する責任を自分で取るため。誰が責任をとっているかを見えるようにするため。
2, 牧場と飲食店2店の経営、その背景とは
ーそもそも、牧場経営を始めたきっかけは何でしたか?
うちは親父が牧場をしてて、小さい頃から手伝いをしよったんよ。もともと僕は介護の仕事をしよったんやけど、会社クビになって(苦笑)うちの親父に「お前もそろそろしっかり働け!」って言われてしまって。それで、うちの牧場で働くようになった。
ー赤崎さんは「とんちゃん横丁」や「Le Lien」などの飲食店も経営されていますが、飲食店経営に乗り出した理由を教えてください。
一番最初に作ったのは「とんちゃん横丁」の方。牛肉をつくっていると、どうしても切れ端が出てくるんよ。それを有効活用するために、焼肉屋を始めた。だから、うちの焼肉屋では格安でお肉を食べてもらえる。
それで、「自分でレストランをつくったら自分でゆっくりワイン飲めるやん」って思って(笑)僕はお酒も好きやき、お酒好きの人のためにもひとつレストランを作った。
焼肉屋は僕が自分で調理をすることはないから、「美味しいお肉はこういうふうに食べられますよ、いろんな料理ができますよ。」ってお客さんに見せたかったっていうのもあるね。普通は豚肉や鶏肉を使うような料理でも、うちでは牛肉を使って提供してる料理もある。レバーのムースとか、パテ・ド・カンパーニュとか。
ー赤崎さんは、ご自分の飲食店に定期的に色々な人を集めていらっしゃいますよね。
飲食業、畜産、農業...って、付き合いが業界ごとに縦割りなんよ。そうじゃなくて**、いろんな人がもっとフラットに、業界も年齢も超えて交流できるようにしよう**と思って。そこでお互いの繋がりができればいいな、と。
一回顔見知りになったら、また連絡しやすいやん。業界も立場もごちゃ混ぜにしたら、何か生まれるかなと思って。
3, 「地域のために、自分ができることはしたい」嘉麻市の活性化への思い
ー赤崎さんは、この地域の活性化にも関わっているとお聞きしました。
神社でイベントするときはよく協賛を出すね。地域のお祭りで景品が出たら面白いしね。あとは、時間があれば自分でイベントを開く時もある。
合併の弊害でね、行政と地域が若干今は遠くなってしまってるんよ。でも、昔は地域と行政が一緒にイベントをする時もあった。そういうのを見ているから、自分も地域のイベントがあるときは手伝いに行く。「なんかあったらいつでも声かけて」という姿勢でいる。
うちでも、年に1回(夏休み終わりくらい)に赤崎牛のイベントはしよるね、いろんなところからシェフ呼んで、赤崎牛の料理を振る舞って、チケット制で食べ放題にしている。
うちの牧場があるのは熊ヶ畑って地域なんやけど、こんな山奥に普通は人来ないやん。でも、イベントがあれば足を運んでもらえて、この地域を知ってもらうことができる。一度知ってもらえれば、回を重ねるにつれて人が増えていく。まずは知ってもらうのは大事やと思うね。
ー嘉麻市を活性化させるために、という思いもあるのでしょうか。
この辺りは限界集落になってしまっているんやけど、そんなところにも人がいるってことは知ってほしいよね。そうしないと、うちらの産業自体も縮小してしまう。だから、僕ができることはしたいと思ってる。僕らみたいな若手がやっていることを後輩にも繋がなあかんし、それを継続させるにはちょくちょく動かなあかんよね。
何かイベントを打ってそれが活性化になるというよりは、できることをみんなで地道にやっていく。それが地域の活性化やと思う。
4, これからの展望
ー赤崎さんの、これからの目標を教えてください。
赤崎牧場としては、自分が育てた牛を全て売り切ること。
ふるさと納税については、嘉麻市のふるさと納税寄付金額をあと2年で10億円にすることやね。自分が主導してふるさと納税の成功事例を作って、嘉麻市にそのノウハウを還元していきたい。
ー赤崎さんのお話を聞くの、とても楽しかったです!赤崎牛のイベントもぜひお邪魔したいです...!ありがとうございました。
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ここまで読んでくださりありがとうございました!
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