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給仕? 給餌?

インド人ウエイターって、食後の皿を下げるの早いなぁ、と常々思っていた。インドでも、日本のインド料理店でも。なんなら、最後の一口を皿からフォークで持ち上げた瞬間に皿を下げられたりする。カフェでもドリンクを3口分くらい残して、後でチビチビ飲もうとダラダラしていると、下げられてしまう。日本だと食器をさっさと下げる、しかもまだ飲食物が残っているのに、というのは「早よ帰れ」の合図なのだけど、そういうわけでもなさそうなので、なんだかなー、と思っていた。

のだけど、インド人老夫婦の身の回りのお世話をするメイドの様子を見ていて合点が行った。雇い主は、目の前の水すら自分の手で取らないし、メイドは乳幼児のお世話並みに間断なく「コレ食べる? はいどうぞ。別の皿に入れるの? はいどうぞ。アレもいる? もういい?こっちにする? トイレ行く?」と気遣いがすごい。あーなるほど、皿を素早く下げるのは、マスターの様子をお側でずっと観察していて、素早く対応するという模範的なウエイターの動きなんでしょう。だから、たぶん、嫌なら「下げるな」と、マスターとして命令すればいいだけなんだと思われる。

しかし…日本人としては…いい年した大人が乳幼児のようにお世話をされるのは、なんとも居心地が悪い。いやそこまでびったり見張ってなくていいから、ほっといてくれ、とまで思う。そして、万が一、自分が何らかの理由でインド人のお世話をすることになった場合には、あのレベルの気遣いを求められるのかと思うとゾッとする。
それにしても、あのお世話能力は、日本での介護やヘルパー人材としてのポテンシャルを感じる。が、そんな時代は来るかなぁ。難しいかなぁ。

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