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季節の変わり目

むぎの調子があまり良くない。
9月に入ってからは、よく食べるしオシッコの量も減ってきたし、なにより鳴き声に張りがあるので安心して、日々の記録もサボりがちだった。
毎日、食べたものとその量と、飲んだ水の量と、おしっこの回数をノートにメモっていたやつ。
サボったせいで把握できてない。復活させないと。

今朝は、ふと見たらば起き上がって、妙な姿勢で座ったままグラグラしていた。前脚の位置が不自然で、重心が定まらない感じで。
これは…猫にあるまじき状態では…?!
どどどーしたの? とむぎの玉座がある出窓に飛んでいって、慌ててなでたらでっかい声でわぁーわぁー鳴いた。いいのいいの大丈夫だからほっといて、と言わんばかりに。
しばらくふらついてから、また丸くなって寝る体勢に戻った。ごはん? と聞いたら今度は甘えた声で鳴いた。口元にカリカリをもっていったら少し食べてくれた。5gくらいかな。

あー心臓に悪い。19歳ともなれば、いつ何時なにがあったっておかしくないのは分かってる。分かっているけど、分かっているから、分かっていても。
去年の秋までの元気で飄々としていた姿が、なんだか幻だったような気がしてくる。
あぁやっぱり私のせいだ、とか、あの時べつの病院に行っていたら、とかまた考えてしまう。
そんな考えが、ますます良くない事態を招くのはもちろん分かっているから、ぶるぶると自分の頭を振ってふり払う。

猫の一年は人間の4年。とすれば、3ヶ月で一歳ぶんになる。
てことは、8月が誕生日のむぎは11月で93歳になり、2月には94歳になる(人間換算)。
来年の8月、20歳を迎えたら96歳換算でエリザベス元女王陛下と同じ年齢だ。むぎ様、どうか女王様を超えてほしいと祈っております。

最近のわたしは甘々で、寝転がったままのむぎの口元までごはんを持っていって食べさせることもしばしばだ。もう少し動いたほうがいいんだろうとは思うけど、食べるのさえ面倒がって寝ているよりは少しでも多く食べてくれるほうがいいし、なによりも定位置の出窓への猫用階段の上り下り(とくに下りる時)がしんどかろうと思うのよ。
昨日、1週間ぶりに体重を測ったら、また少し減っていた。また悲しくなる。ああこんなことで悲しくなってはいけないのに。

そう、今いちばん楽しみなのは、これからもっと寒くなったら。今年もまたいっしょにベッドで寝てくれるかなということ。
今もたまにベッドに連れ込んでみるのだけど、しばらく我慢してるみたいけど(笑)すぐに立ち去られてしまうんです。
やっぱり歳をとって、気難しくなるのは猫も人間も同じなのだろうな。それはひとえに体調がままならないからだと思うのだ。
私だって、どこか痛かったりダルかったりしたら、そりゃ不機嫌になるもの。不機嫌というか、他のことに気が回らなくなるよ。それどころじゃなくなる。それは当たり前だ。愛が減ったわけじゃない。

あぁ早くもっと寒くならないかな。
朝、目が覚めて、最初に目に入るのがむぎの顔面ドアップという幸せ。その至福の瞬間をまた味わえたなら。
かつては当たり前だったことが、今は夢のように待ち遠しい。

姫、今日の気分はいかがでしょう


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