良くないおたくはもう辞めたい話

アタシ、再生産。

私は元来おたくの気質があると思っています。中学2年生に「らき☆すた」という作品から深夜アニメの存在を知り、最高で週に30本アニメを観ては特にハマったアニメの作画監督を1話ごとに見極めたり、制作会社でアニメを選んだりもしました。また、前回の記事でもお話したように東京ディズニーリゾートも大好きで、10代後半から20代前半まではディズニーオタクの典型的なスタイル(キャラクターが大きくあしらわれたトートバッグと一眼レフカメラを提げる)でパークに通っていました。

ですが、当時の自分はあまり褒められたものではなかったと今は恥ずかしく思います。

なんというか、頭が悪いんです、私は。
失礼を承知で書きますが、平凡な学力の両親に頭が良いと褒められたことを真に受けて、天狗になってしまったんです。残念なことに私は褒められると慢心するタイプなので、中途半端に知識を身につけては知ったかぶって偉そうにひけらかす人間でした。

アニメに関してはやれ脚本が、やれ監督が、やれ作画が。ディズニーランドに対してはやれ経費削減が、やれ設定が。分かったようなふりをして評論家ごっこをするのはとても気持ちが良かったです。子ども特有の、大多数の人間が言わないことを大きな声で言うのはかっこいいという、誤った認識からくるものですね。大人はそれがみっともないと分かっているから口にしていないだけなのに。それを理解したのはごく最近のこと。情けない限りです。

今までの私の浅はかな発言や行いによって、コンテンツのイメージを損なったり、そばにいた友人に恥をかかせたり嫌な思いをさせてしまったと今は強く反省しています。
私が応援している某俳優さんも仰っていましたが、

ファンはタレント及びコンテンツの鏡である。

その方はファンはタレントに似るというお話をされていました。大きなコンテンツはファンにも注目が集まります。でしたら私は鑑になりたいと考えています。そうすれば私の好きなタレントやコンテンツの魅力が伝わりますから。
ようやっとこの結論に至った今、とある前提を己に課しました。

私の話は誰にも通じていない

これです。
おたく特有の略語や、本来なら業界の方のみが使うような専門用語は、評論家ぶってマウントを取りたがる私の大好物です。
おたく同士ではもちろん、あまり知らない方にも容赦なく多用していました。
業界用語を使いこなす、俺かっけー(かっこいい)。
過去の私をそう揶揄してやりたいです。

そんな自分から脱却するため、略語や専門用語を使うのはほぼやめました。
話したいことを、そのコンテンツを知らない人に伝えるにはどうすべきかを念頭に置いて、簡単な言葉にとにかく噛み砕くことを意識しました。
また、自分と話す人が2人いたとして片方は自分と同じくらい詳しい人、もう1人はほとんどそれを知らない人だった場合、つい詳しい人とばかり話が盛り上がってしまいますよね。そこで私は2人の目をしっかり交互に見ながら話すようにしました。
最初は詳しい人と「この前こういうことがあったよね」という話をしたら、もう1人には「あそこでは普段こういうことをしてるんだけど(前提)、今は特別なイベントをやっているから(変更の理由)この部分がこんな風に変わっているんだよ(変更内容)」と噛み砕いて説明しながら話を進めるように心がけています。
そうしたら先日、「一条さんは全員と目を合わせながら、話のわからない私にも丁寧に説明してくれて嬉しいです」と言われました。
その言葉を聞いたとき、自分の心がけに意味があるんだと実感できましたし、良いと思ったことを本人に素直に伝えられるその人を尊敬しました。

しかし上記の心がけだけでなく、私にはもう一つ課題があります。

小さな声で丁寧な言葉を使う

私が持つ数あるコンプレックスの中で、すぐにでも直したいと思っているものが、声が大きくて言葉遣いが乱暴であるところです。
下品ですよね。イベント会場などで同じ特徴の方を見かけると、同族嫌悪に陥ります。
言葉遣いは気をつけるようにしているのですが、付き合いの長い方が相手だと崩れやすいですし、

とにかく私は声が大きい

これが悲しい。大きな声で批判的なことばかり現場で話しているなんて本当に失礼。
しかし夢中になるとつい声量に気が付かなくなってしまいます。どうしたらいいでしょう。
早口でもあるので、ゆっくり呼吸することを意識しようかなとこれを書きながら考えています。

あと注意すべきところと言えば

否定的な言葉を使わないこと、余計な情報には目を向けないこと

批判、批評するのがかっこいいというとてもかっこ悪い思考を持っていたので、SNSやファン同士でお話する際には「○○さん今日は調子悪かったね(細かい所が分かるくらい何度も見ているというアピール)」ではなく、良かった点を積極的に発信していきたいなと思っています。批判や批評はその業界のプロに任せればいいと思います。
ただ、ファンとしてそのコンテンツが好きだからこそ気になる点も出てくるでしょう。そういうときはアンケートなど制作側にきちんと届く媒体で、良かった点と一緒に書くのがいいのではないでしょうか。舞台などが終わっていきなり否定的な感想ばかり口にしては、一緒に楽しんでいたたくさんの人達を不快にしてしまいますから。まずは良いところをたくさん共有したいと思います。

次に余計な情報というところですが、おたくなら細かい知識も知ってて当然とか、Twitterを監視していたりするとネガティブな情報も多く手に入ってしまいます。それが作品やイベントを観ている最中にチラついて斜に構えてしまうことも多かったのが私です。役者さんの昔のスキャンダルや素行の悪いファンによるトラブルなど。
私は最近ミュージカルにとても興味があって少しずつ劇場に足を運んでいるのですが、今後はミュージカルファンのTwitterを無闇にフォローしたりせず、劇場マナーを意識しながら純粋に作品やお芝居の考察をするような、フラットな楽しみ方をしていきたいなと思っています。