見出し画像

世代の違いについて考える

「最近の若者は…」というフレーズは、昔からよく耳にします。いつの時代でも年長者が若者に対してそう言い、いずれ自分も同じような言葉を口にするようになるのが定説とされています。しかし、今の時代は少し違ってきているように感じます。

私が若かった頃、親や先輩の言葉は、たとえ間違っていると思っても反論できず、従わざるを得ないことが少なくありませんでした。反論して議論になっても、最終的には納得いかなくても受け入れるしかない、そんな状況が多かったのです。しかし、そうした議論の末、お互いが納得し、より良い方向に進むことも多々あったように思います。

一方で、今の「若者」はどうでしょうか。彼らは生まれた時からインターネットがあり、さらにスマホが普及したことで、いつでもあらゆる情報に瞬時にアクセスできる環境で育ってきました。周りの大人が言っていることが正しいのか、そうでないのかを、子どもでも自分で情報を集めて判断できる時代です。大人が感情的に物事を捉え、頭ごなしに話すことに対しても、冷静に「この人、何を言っているんだろう?」と思うことが、私が子どもだった頃に比べると多いのではないでしょうか。

前述した「納得いかないけど従う状況」や「議論の末に納得する状況」は、親子や先輩後輩の関係において重要な経験であり、そこから人として成長する機会であったことは間違いありません。しかし、現代社会ではこれに加えて、「どちらが正しいのか、情報を得て冷静に判断する状況」が常に存在します。このことが、若い世代が親や上の世代の言動を冷ややかな目で見る要因になっているのではないでしょうか。そして、これが世代間のコミュニケーションを阻んでいる原因の一つかもしれません。

個人的には、世代間の違いを埋めるために、若い世代や年長の世代のどちらかが無理に歩み寄る必要はないと考えています。ただ、若い世代の人たちに「この人の話を聞いてみたい」と思ってもらえるような大人でありたいと思っています。

とはいえ、気づかないうちに「最近の若者は…」と言ってしまうこともあるので、そこは気をつけたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!