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ぷつぷつの記録

 これはK子の人生初発疹の記録である。

 2015年8月22日夜 顔面発疹発症。無数の膨隆と赤みにごわつき。原因として考えられるのは一週間ほど前から使用し始めたシルクパダーとミネラルファンデーション。

 K子は一年ほど前から、それまで十年近く使用していた某無添加化粧品のラインをやめ、より安価でシンプルな基礎化粧品でまかなえないか色々とトライしていた。洗顔は坊ちゃん石鹸、化粧水はちふれ、保湿は未精製シアバターと落ち着いた頃合い、K子はべたつくBBクリームやクリームファンデーションをサラサラのものへ変えたくなった。この夏の暑さがその心理に影響を与えたのは確かだ。そして至ったのが「肌の弱いひとにも使えるミネラルファンデーション」である。元々化粧品やボディークリームで肌荒れなどしたことのない、肌強自慢。肌の弱いひとが使えるなら、自分は大丈夫だろうと過信し、パッチテストも行わずに使用開始。使用数日は、サラサラの快適感に気分軽く過ごしていた。発疹が出るまでは。

 発疹を生じてから調べ直してみれば、シルクやミネラルファンデーションの成分である金属にアレルギーを持つ人間は存在するということ。おそらくK子はアレルギーを持つ方の人間だったのだろう。少なくとも使用し始めたなにかには免疫が過剰に反応したのだ。なるほど、パッチテストはすべきである。

 K子はシルクパウダーとミネラルファンデーションの使用を中止。坊ちゃん石鹸洗顔・ちふれ化粧水・シアバターの過程のみで経過観察。


 2015年8月24日 夜勤明け、職場の同僚にボディートーク療法のセッションを受ける。アレルギー成分として「ミネラルファンデーション成分」が出る。また「余分なものは取り入れたくないという恐れの感情」というワードも。K子はこれに心当たりがあった。数年前から、余計な情報を無意識にいれたくないという気持ちもあって、テレビを撤去したK子である。情報にさらされる世の中、不快な気分にさせられるものは排除したい。聞きたくないのである、不快なことは。セッションとして「免疫強化・恐れの感情快方」「老廃物を流す意識の脳への取りつけ」「自分の信念部分で触覚から感じるものの修復」「衛気から得られる情報の処理吸収の調整」「脳のストレスを感じることを正常化し、休息のバランス」を施行。


 2015年8月25日 病院と薬物嫌いのK子、顔面発疹経験者に話を聞く。「皮膚科へ行っても処方されるのはステロイドくらい」派と「早めに皮膚科へ行ったほうがいい。処方されたのはステロイド」派がいた。双方医療者である。医療者においても自然治癒力に重きを置く人間と、薬剤の力をフルに使うような西洋医学に重きを置く人間(大雑把な言い方であります)がいる。結局、人間は聞きたいことを聞き、信じたいものを信じるものである。K子は自分の信念を裏づける話を聞きたかっただけだと言える。皮膚科で処方されるとしたら、ステロイドと免疫抑制系。対症療法であろう。ステロイドは一時しのぎ、免疫抑制剤では今の全身状態を悪化させそうな気がする。皮膚科へ行かずにいかに自然治癒力を引き出そう。発疹にまだ変化が見られないため、少し気持ちのぐらついたK子であったが、自然治癒力を信じることにする。その日、保湿強化のために買ったアロエクローム。しかし、塗布した途端にヒリヒリした痛み。すぐに洗い流す。肌の弱い状況だと、合うものと合わないものがはっきりと感じられることが判明。ヘチマ化粧水も試したがやはり痛みあり。ちふれ化粧水はわずかにしみるが使えぬほどではない。シアバターは痛みなく使用可。この発疹状態は自分に合うもの・合わないものを探る機会になるとK子は考えをシフトした。


 2015年8月27日 掻痒感著明である。発疹はいくらか小さくなってきた。赤みは残る。とにかく痒い。この痒みは快方なのか悪化なのか判らず。快方であると信じる。元々十年近く使っていた某無添加化粧品に敏感肌用ラインがあり、洗顔と化粧水にそれを試す。痛みなく使える。シアバターは使用感がいいので保湿に継続。

 2015年8月28日 ボディートーク療法2回目のセッション。 今回はファンデーション成分についての要素は現れなかった。「金銭にまつわる思考に対してこのままではやっていけない」という不耐性、「あるがままの自分」を受け入れること、「骨にある曾祖母のセルフイメージ」など。これらに対して調整を受ける。実はK子、現在ちょうど金銭に対するイメージの改革に取り組んでいたところ。その中で「自分を肯定すること」という部分にさしかかっていた。おそらくK子の中で旧信念と新信念の摩擦が起こっていたのだろう。「こうすべき、こうしたほうがいい」から「そうではない自分が出てくると見なかったふりをする」という状態にっていたと気づいた。「あるがままの自分」というのはものすごく嫌に感じる。嫌だから見ないようにするし、なかったことにする。それを嫌だと感じるところも含めての「あるがままの自分」なのだが、これをそのまま受けいれるのはなかなか難しいとは思いませんか。という、葛藤の最中なのである。

 2015年8月30日 膨隆・赤みはほぼ消退。大分以前の肌に戻る。発症から八日目。薬を使わなくても、自然治癒力を引き出すことができれば治るという考えに拍車がかかる。症状として現れた発疹自体も、健康の証と言える。合わないもの・取り入れたくないものを顔面は全力で訴えて排出したのだから。はなはだ健康である。症状の原因や誘因となるものを取り除くと、自ら治る力は湧き出てくる。薬物は内臓に負担がかかる。対症療法は状態を見極めてどうしても必要な場合に最低限行うのがいいとK子は思う。治るように整えること。それはナイチンゲールの「看護覚え書」にも書かれていたことではなかったか。K子の記憶にふとよみがえる。そうして本をひもとけば、序章に書かれている。「まずはじめに、病気とは何かについての見方をはっきりさせよう……すべての病気は、その経過のどの時期をとっても、程度の差こそあれ、その性質は回復過程であって、必ずしも苦痛をともなうものではないのである。つまり病気とは、毒されたり[poisoning]衰えたり[decay]する過程を癒そうとする自然の努力のあらわれであり、それは何週間も何ヶ月も、ときには何年も前から気づかれずに始まっていて、このように進んできた以前からの過程の、そのときどきの結果として現れたのが病気という現象なのである(「看護覚え書」フロレンス・ナイチンゲール著/株式会社現代社/1998第5版)」

 治癒が促進されるように見極めて環境を整える。K子はそれを思い出したのだった。



※あくまで医療関係者が周囲にたくさんいるK子の私見です。必要時、医療機関を受診し、必要な手当を受けることは妥当です。色々な見方から自分に合うものを探ることが大切だと思います。

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コメント1件

ファンデーションで低温火傷! それは大変でしたね。合うものを見つけていくって大切ですね。
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