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栃木県日光市湯西川|見知らぬ人との会話の記録

栃木県日光市湯西川 2016年4月27日

 栃木県と福島県との県境の山奥で釣りをして帰ろうと山道を運転してたら、どでかいベンツの四駆が狭い道に停まっていた。車の脇にはこんな山奥には似つかわしくないカウボーイハットを被ったお爺さんが立っていて、僕の車に気付くと頭の上で両手を振って停まれの合図を送ってきた。

 ちょっと怪しい雰囲気の男性の脇まで僕は車を進め、運転席の窓越しから「どうしました?」と尋ねた。ベンツの助手席にはサングラスをかけた若い女性が乗っており、ピクリともせずに車の前方正面を見据えていた。男性は「この先に町ある?」と言うので、「福島の檜枝岐に抜ける林道か、川治に回り込む道がありますけど今は土砂崩れで通れませんよ」と教えてあげた。
そもそもこの周辺に町なんて無い。町と呼べるような場所は車でも1時間以上山を降りたところにしかないのである。
そしてここは県道でも無いただの林道である。

 

どこまで行く予定ですか?と尋ねると、「大きい道に出たいんだよ」と言う。

それじゃぁ戻るしか無いですねと言うと、「どうやって戻るの?」と言う。
「どっちから来たんですか?湯西川からですか?土呂部ですか?」と聞くと
「わからない」

人はそれを迷ったという

「来た道戻れば大きい道出ますよ」と教えてあげると、「連れってよ」と。

と、
いうことで
どでかいベンツの四駆を後ろに従えて、国道まで誘導したのであった。

別れ際にカウボーイ爺さんは僕の車の隣につけ
「お兄さん詳しいねぇ、助かったよありがとう!」といってディーゼルのエンジン音をブロロロと響かせながら去って行った。

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